SNS戦略事例を解説した次世代リーダー
渡辺氏の紹介で続けて登壇したのは、船橋屋の企画本部長を務める佐藤恭子氏。同氏は人材活性の具体的な施策について説明した後、Facebookは3万の"いいね"を集めている船橋屋のSNS戦略事例を紹介。FacebookやTwitter、LINE、Instagramの現状を踏まえ、データを提示しつつ次のように説明する。
「SNSのスピード感はとても速く、紹介したデータですらすでに遅いのです。これをみればLINEをやれば良いように見えますが、若者の間で今起こっているのはLINE離れという減少で、逆に学生が社会人になるときに目上の方たちとつながるために再びFacebookをやり始めるという現象も起こっています」
さらに、Facebookを導入し、自社サイトを立ち上げた2011年には、売上前年比201.5%、翌年2012年には120.7%の実績を達成したことを紹介。売り上げだけでなく、SNSを通じて顧客のよりリアルな声を聞いたり、新しい施策を実施できるようになったと語った。
中でも珍しいのは、俳優を用いてtwitterドラマを作成した事例だ。船橋屋を舞台とし、有名俳優を出演させたドラマ「家族になれたら」は10代、20代の若い世代に船橋屋を知ってもらうきっかけにつながったという。
船橋屋が起こしているイノベーション
最後に渡辺氏は、船橋屋の新たなる挑戦について述べる。それは、「くず餅乳酸菌」だ。くず餅を製造する過程で生まれたこの新しい酵母は、すでに特許を取得済み。くず餅乳酸菌は、すでに医療用のサプリメントとして発売しており、発酵食品の国日本ならではの植物乳酸菌として、動物性乳酸菌が体質に合わない方などに向けて提供していく考えだ。
社員80名という小規模な企業ながらも、独自の理念で人材開発を行い、イノベーションの創成に尽力する渡辺氏と船橋屋。同社の事例は、経営に悩む中小企業経営者にとって大きな指針になりそうだ。