俳優の千葉雄大が主演する連続ドラマ『プリティが多すぎる』(日本テレビ、毎週木曜24:59~)が、10月18日にスタート。千葉演じる文芸編集部のエース・新見が、突如異動させられたプリティ満載の職場にドン引きするという展開が描かれたが、きょう25日に放送される第2話には、それとは正反対の“カワイイ全開”の男の子が登場する。

それを演じるのが、舞台出身で最近テレビでの活躍も目覚ましい俳優・黒羽麻璃央。新見に何かとアドバイスする原宿のカリスマショップ定員・レイ役で、その風貌は金髪にカラフルすぎるファッションというド派手スタイルだ。

当初は、自身が“カワイイ”姿になれるのか心配していたというが、今回の役を通じて役者としての幅のみならず、私生活にも大きな影響を受けたとのこと。すっかり“カワイイ”が板についた黒羽に話を聞いた――。

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    黒羽麻璃央
    1993年生まれ、宮城県出身。第23回JUNON SUPERBOY CONTESTで準グランプリとなる。主な出演作品に、ミュージカル『刀剣乱舞』(三日月宗近役)、舞台『黒子のバスケ THE ENCOUNTER』(黄瀬涼太役)など多数。『男水!』(17年、日本テレビ)で連ドラ初出演を果たし、その後も『ファイブ』(フジテレビ)、『監獄のお姫さま』(TBS)などに出演している。
    撮影:大塚素久(SYASYA)

“ポスト・千葉雄大”狙おうかな

――今回は見た目に強烈なインパクトのある役ですが、演じるに当たって意識したことはありますか?

主演の千葉(雄大)くん演じる南吉くんの背中を押してあげる存在であり、“カワイイの第一人者”として、まず僕がカワイくなければ説得力がないので、爪にマニキュアを塗るという初めての体験もしましたし、髪も3~4回色を抜いて納得のいくところまで、自分なりに思い描いているレイくん像に近づけるように努力しました。25年間生きてきて、あんまり「カワイイ」という感情を持ったことがなかったんですけど、原宿で個性的な男の子を見て「カワイイな」と思うようになりましたし、そういうのを察知する能力が高まったなと思います。

――今日着ている衣装も…

カワイイ! 買い取りします(笑)

――実際にレイの姿をしたご自身を見て、いかがでしたか?

自分で言うのもアレですけど、カワイイですよね(笑)。決してオネエではなくて、オシャレとして、男の子でも女の子でもなく、ただひたすらカワイイを追求するという感じ。ちょっと心配してたんですけど、案外いけるんだなと思いました。

――でも、すごくカワイイです。

本当ですか!? 最近、「カワイイ」と言われるのがすごくうれしいんです。自分が10代とか20代前半に言われていたよりも、今「カワイイ」って言われるのが。「カッコいい」とか「渋いね」とか「深みがあるね」とか言われることに憧れていたんですけど、役によってカワイイ面も見せられたらと思うようになりましたし、“カワイイ男子”として、千葉くんの次を狙おうかなと(笑)。同じ宮城の先輩なので、“ポスト・千葉雄大”狙おうかな。千葉くんには言わないですけど(笑)

――千葉さんの反応はいかがでしたか?

「カワイイ」と言ってくれた気もしますが、どうだったかな…緊張してて、あんまり覚えてないんですよね。言ってくれていることを願います(笑)

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    『プリティが多すぎる』(日本テレビ、毎週木曜24:59~)
    千葉雄大演じる大手出版社の文芸編集部エース・新見が、「原宿系ファッション誌」に異動させられ、突如訪れた「プリティ満載」の職場にドン引きしながら、徐々に真正面から「KAWAII」カルチャーに向き合っていく。25日放送の第2話は、新見が編集長(堀内敬子)から街でカワイイ子を探してスナップ写真を撮る仕事を任されるが、“カワイイ”を理解できずに悪戦苦闘。さらに、犬猿の仲の利緒(佐津川愛美)にもバカにされ、ついに堪忍袋の緒が切れる。
    (写真左から)黒羽麻璃央、千葉雄大 (C)NTV

――レイのファッションをたくさん着て、実際の私生活に取り入れた部分もあるんですか?

今までは黒いズボンとかが多かったんですけど、原宿系のダボッとした淡い色のデニムとか、シルエット的に丸みがあるものや、ワイドパンツも着るようになりましたね。衣装合わせして、「あれ? こういうのも似合うかもしれないな」という新しい発見が、レイ君のおかげでありました。「これもカワイイ、あれもカワイイ」みたいになって、今、淡いデニムがめちゃめちゃ家にあります(笑)

――第2話(10月25日深夜放送)で、「“カワイイ”に心が動く瞬間が来る」というセリフがありますが、ご自身にもその瞬間が来たんですね。

めちゃめちゃ動いてましたね! ビックリしました。今までは、「カワイイってなんだよ」「男は男らしく生きてなんぼでしょ」みたいなところがありましたけど、「カワイイって正義なんだな」と思うようになったんですよ。“カワイイ”っていう調味料が、黒羽麻璃央の良いスパイスになったなという感じです。

同級生をモデルにする日が来るとは…

――役作りにあたって参考にした人はいらっしゃるんですか?

同じ高校の同級生に、ジェンダーレスのモデルのとまんがいるんですよ。放課後ずっと遊んでたいつものメンバー“いつメン”のうちの1人で、当初は彼もショップ店員だったんですけど、今や原宿でカリスマ的存在になってるので、彼のSNSをフォローして参考にしました。1回電話もして、「俺、今撮ってるドラマで、おまえをモデルにしてるよ」って言いました(笑)。彼も楽しみにしてくれましたね。一緒に友達の家でゲームとかしていた仲でしたけど、まさか同級生をモデルにする日が来ると思わなかったです。今こうしてお互いがこの世界にいるのが、すごく不思議な感じですね。

――どんなところが参考になりましたか?

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とまんの1日を追う特集の動画があったんですよ。朝起きてスチーマーを当てて、外に出るときは日傘を差して。そういう美に対する追求は、分かるなぁと思いました。この仕事をしてると、やっぱりよく見られたいし、自分の体を商品にしてるわけですからね。

――役者として感化される部分もあったんですね。

はい、ありましたありました!

――他にも役作りで何かされたことはありますか?

撮影期間に入る前に、原宿にめっちゃ行ってましたね。何するわけでもなく、街の空気感を感じたり。竹下通りとか、上京して最初の頃に行ったことあるくらいだったんですけど、いざ歩いてみるとすごい人がいて、活気があって、“若者の街感”をあらためて感じました。本当に個性的な人も多いですけど、原宿ならその場の雰囲気に馴染んじゃうんですよ。その格好して渋谷とか新宿とか行くと浮いちゃうと思うんですけど、原宿だと普通に見えるんですよね。

――今回のドラマは原宿でロケをされていますが、一般の方の反応はいかがでしたか?

千葉くんは「あっ、千葉雄大だ!」って言われて目立つけど、僕はその横で一緒に歩いてるじゃないですか。そうすると、「あれ? 隣にいるの、りゅうちぇるじゃね?」みたいな(笑)。でも、僕のことを知ってても、あの格好をしてたら気付かれないですよね。あと、「YouTuberだ」っていうのも結構言われました(笑)。ドラマの撮影をしてるのに、今はYouTubeを撮影してると思われるんだなと思って、ビックリしましたね。YouTuberでもないし、りゅうちぇるさんでもないから、ちょっと悲しかったです。頑張ろうと思いました(笑)

――劇中では「◯◯ンゴ!」など、若者言葉をどんどん話されていますが、台本を読んで驚いたものはありましたか?

実は、高校生の時に「◯◯ンゴ!」って使っていた気がするんですよね。一時期「がんばりンゴ!」って言うのが流行ってたんですよ。だから「懐かしいな」と思いながら「時代が1周したのかな? あれ、もしかして俺、先駆け?」って思ったり(笑)。でも、撮影の時にリアル女子高生がいて、ちょっとでも参考にしようと思って、「最近は“卍”とか流行ってるんでしょ?」って聞いたんですよ。そしたら、「いや、先輩古いっすよ(笑)」って言われて、その時にちょっと年齢を感じました(笑)