「軽井沢の風」を再現した

2つ目のテーマとして掲げられた"感動とおもてなし(未来の商業空間)"ブースで注目を集めていたのは「Wind Creator」。避暑地の爽やかな自然風や気温、湿度、香り、風景を再現するシステムで、会場には実際に軽井沢の高原で計測したデータをもとに、"1/fゆらぎ"、"大きな風速の変化"、"体全体を吹き抜ける風"を体験できました。

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    書庫の下に備えられているのが「Wind Creator」。9つのファンにより、データ値に基づき自然風を再現するシステム。タワーマンションやカフェなど、窓の開閉ができない空間でも、心地よい自然の空気環境を提供します

このほか個人的に目に留まったのが「Outer Tower」。いわゆる屋外用エアコンですが、屋外イベント会場や公共施設、休憩スペースなどに設置することで"クールスポット"を生み出します。1方向のみに送風するのではなく、4面から風を吹き出し、広範囲に風を届けられるうえ、内部に熱交換器を備え、冷房風を送り出せます。200Vの電源さえあれば設置可能です。今年(2018年)の夏の甲子園大会で展示されていたそうで、2020年の東京オリンピックで、ぜひ屋外会場に導入してほしい製品です。

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    「Outer Tower」。送風だけでなく、熱交換器を内蔵する屋外用エアコン。4面から冷風を吹き出し、屋外で手軽に"クールスポット"を創出できます。夏の必需設備として、早めの実用化が望まれます

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    ポータブルな屋外用エアコン「Beside+」の試作機。バッテリー搭載で電源はいらないのが魅力です。重さは9kg~10kgほど

3つ目のテーマである"働き方をサポートする空気(未来のオフィス空間)"のコーナーでは、今年(2018年)2月に発表された「CRESNECT」の取り組みを紹介。CRESNECTは、空調機器から得たデータを活用し、パートナー企業とともに、快適かつ健康的・効率的・創造的オフィス空間の実現や、新たな価値の創出を目指す協創型プラットフォームです。第1弾プロジェクトである、事務用家具メーカーのオカムラと共同で開発中の心拍測定チェアを展示し、心拍数など人の生体情報の変化から目の前の物事に対する"関心度"を見える化するデモンストレーションを実施していました。

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    「CRESNECT」の第1弾として、オフィス家具メーカーのオカムラと共同で研究・開発中の「心拍測定チェア」。座るだけで心拍数などの情報を読み取り、データの変化からその人の関心度を可視化。たとえば商談スペースなどにおいて、顧客が心地よく話を聞ける空間演出への活用を想定しているとのこと

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    「心拍測定チェア」に座っている人の心拍数