テクノロジーの最先端、高速鉄道の魅力
通常、夜間は閉館している「リニア・鉄道館」だが、今回のプレスツアーでは特別に公開された。「リニア・鉄道館」ではJR東海の誇る高速鉄道の魅力が展示とともに紹介され、愛知DC開催に合わせ、300X新幹線試験電車やモハ52形電車の車内が特別公開される。
300X新幹線電車は、1996年に電車方式による世界最高速度443km/hを記録。モハ52形は京阪神間の急行電車として活躍した。蒸気機関車で狭軌最高速度129km/hを記録したC62形、超電導リニアで鉄道世界最高速度581km/hを記録した超電導リニアMLX01も展示。東海道新幹線で活躍した各形式をはじめ、大出力気動車キハ181系も展示されている。新幹線0系・100系の食堂車も見られる。
モハ63形電車の車内も特別公開。戦後の物資が不足してした時期、「質より量」で大量に製造され、桜木町事故で多くの人命を失った教訓も説明された。この事故により、難燃性塗料の使用、絶縁対策の強化、車両の鋼製化が進められた。島秀雄は事故の責任を取り、国鉄を辞めたが、後に再び国鉄に戻り、新幹線計画を進めたとの説明もあった。
高速・大量輸送を実現させ、世界に広まっていた鉄道斜陽化論を覆したとされる新幹線。それは安全第一の思想を背景にしたものである。
名古屋城と国宝犬山城
プレスツアー2日目は名古屋のシンボル、名古屋城へ。愛知DC開催に合わせ、名古屋城本丸御殿では重要文化財の「竹林豹虎図」が特別に展示される。本丸御殿は2018年に復元工事が終わり、当時の様子が再現された。
名古屋城を見学した後は犬山市へ。「からくり展示館」「城とまちミュージアム」に続き、国宝犬山城を見学した。天守の中まで入ることができ、眼下に濃尾平野や木曽川を一望できる。この日はあいにくの天気で木曽川の水は濁っていたものの、遠くまで見渡せるほど高い天守からの眺めは迫力があった。
12月31日まで開催される「愛知デスティネーションキャンペーン」の期間中、JR東海は313系8000番台(3両編成)に「名古屋おもてなし武将隊」や愛知県の観光スポットなどをデザインしたラッピング車両を団体専用列車などで運行する予定。エクスプレス予約の早特商品を利用し、県外から愛知県を訪れた人を対象に、県内すべての鉄道路線とおもな観光地へアクセスする一部のバス路線が2日間乗り放題となる「愛知DCフリーきっぷ」も期間限定で発売されている。このキャンペーンを機に、未来を創り上げてきた愛知県の魅力を感じるべく、多くの人に愛知県を訪れてほしい。