キャスト陣の“満足度”実績に着目すると、秋ドラマで新垣結衣に並んで触れておきたいのは、『僕らは奇跡でできている』(カンテレ・フジ系、火曜21:00~)でGP帯連続ドラマ初主演を務める高橋一生だ。
彼の過去5年間に出演したドラマを振り返ってみると、『カルテット』(17年、TBS系)が満足度3.89で期間2位、『僕のヤバイ妻』(16年、カンテレ・フジ系)が4.04で期間1位、『民王』(15年、テレ朝系)が4.15で期間1位と、そのクールでトップクラスの高満足度を記録した作品ばかりで、“作品運”の強い俳優だ。
また、17年のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』では、全50回中、最も満足度の高かった回が高橋演じる政次の最期を描き、世間でも大きな話題を集めた第33回「嫌われ政次の一生」で4.05(全50回の平均は3.75)。良い作品を引き当てる運の強さはもちろんだが、高橋自身の好演によって視聴者を高い満足度へと導いていることが分かる。
そして今作は、草なぎ剛主演の『僕の生きる道』(03年)、『僕と彼女と彼女の生きる道』(04年)、『僕の歩く道』(06年)の“僕シリーズ”を手掛けた橋部敦子氏が脚本を担当しており、制作も同様にカンテレ。タイトルに“僕”という文字もあり、新たな“僕シリーズ”誕生の予感だ。
映画に続く有村架純×塚原あゆ子
監督という点で注目なのが、有村架純主演『中学聖日記』(TBS系、火曜22:00~)の塚原あゆ子監督。直近5作の満足度を振り返ると、『アンナチュラル』(18年、4.05)、『リバース』(17年、4.04)、『砂の塔~知りすぎた隣人』(16年、3.87)、『私 結婚できないんじゃなくて、しないんです』(16年、3.88)、『重版出来!』(16年、3.93)と、すべてが高満足度作品だ(いずれもTBS系)。
ほかにも『夜行観覧車』(13年、3.94)や『Nのために』(14年、4.02)と良作を次々生み出しており、今作と同じく有村主演の『コーヒーが冷めないうちに』(先月公開)では映画で初メガホンをとるなど、最近密かに注目度が高まっている監督の1人。特徴はスタイリッシュでスピード感あふれるシーンとみずみずしい映像世界で、今作は中学教師と生徒の禁断愛というかなり際どいテーマだが、塚原監督の手によってイロモノではなく、純粋な恋愛ドラマに仕立ててくれそうだ。
『白い巨塔』以来の唐沢寿明×井上由美子
その他、『白い巨塔』(03年、フジ系)以来となる唐沢寿明主演×井上由美子脚本の『ハラスメントゲーム』(テレ東系、月曜22:00~)や、『東京ラブストーリー』(91年、フジ系)以来の織田裕二×鈴木保奈美という引きだけでなく、映画『アマルフィ 女神の報酬』から展開したドラマ『外交官 黒田康作』(11年、フジ系)でもタッグを組んだ織田×池上純哉氏脚本の月9『SUITS/スーツ』(フジ系、月曜21:00~)。
『Age,35 恋しくて』(96年、フジ系)、『ミセスシンデレラ』(97年、同)、『美しき罠~残花繚乱~』(15年、TBS系)など、多くの“不倫ドラマ”を手掛けてきた脚本家・浅野妙子氏と、『大奥』シリーズ(フジ系)でもタッグを組んだ林徹監督がコンビを組む、超濃厚な大人のドラマ間違いなしの『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジ系、木曜22:00~)など、制作サイドに目を向けてもスタート前から話題が事欠かない秋ドラマ。豊作を期待したい。
・対象局:地上波(NHK総合、NHK Eテレ、日本テレビ、テレビ朝日、TBS、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性1,200+女性1,200=計2,400 ※回収数は毎日変動
・サンプル年齢構成:「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女各400サンプル
・調査方法:毎日モニターにテレビ視聴に関するアンケートを同じアンケートモニターへ配信、データを回収するウェブ調査
・採点方法:最高点を「5」とし、「3.7」以上を高満足度に基準