ソニーから、高い性能を独自に追求したアクティブ・ノイズキャンセリング機能に加えて、Bluetoothによるワイヤレス音楽再生機能を搭載するヘッドホン「WH-1000XM3」が発売されます。この新しいモデルと現行機種の「WH-1000XM2」はどこが違うのか、どんな人におすすめできるヘッドホンなのか、実機をチェックしながらレポートします。
WH-1000XM3(以下、XM3)は2016年にソニーが発売したノイズキャンセリングとBluetoothワイヤレス再生の機能を搭載するプレミアムヘッドホン「MDR-1000X」の流れを汲む最新モデルです。その後、1000Xシリーズとして毎年ペースで着実にアップデートを遂げてきました。
2017年秋に発売されたWH-1000XM2(以下、XM2)とMDR-1000Xとの比較についても、本誌でレポートしています。『ソニーの新ヘッドホン「WH-1000XM2」を「MDR-1000X」と比較レビュー - これは逸品、と認めざるを得ない』。ぜひ合わせて読みながら「1000Xシリーズ」の進化の過程を確かめてみて下さい。
さて、XM3は10月6日の発売です。このレビューを書いている時点で、ソニーストアが付けている予約販売価格は39,880円(税別)。XM2とスタート時の価格はほぼ同じようです。XM3のカラーバリエーションはブラックとプラチナシルバーです。
新旧製品の間で大きく変わった点のひとつが、ノイズキャンセリング性能です。最新モデルのXM3には、ソニーが新規に開発したノイズキャンセリング処理のための専用プロセッサー「QN1」が搭載されています。XM2も同様のプロセッサーを備えていましたが、XM3ではノイズキャンセリングの処理能力が約4倍アップしたといいます。後ほど実機でテストしながら、ノイズキャンセリング効果がどのように変わっているのか報告しましょう。
XM2では、Bluetoothで受けたオーディオ信号をソニー独自のフルデジタルアンプ「S-Master HX」でDA変換・増幅していましたが、XM3ではQN1に専用のDACチップとアナログヘッドホンアンプを組み合わせています。これは後半でレポートする音質の部分だけでなく、駆動時の消費電力が下がったことにもつながっているようです。