『凪のあすから』や『さよならの朝に約束の花をかざろう』などを手掛けたP.A.WORKS制作による新作オリジナルTVアニメ『色づく世界の明日から』。色覚を失くした少女「月白瞳美」と、瞳美を導く少年「葵唯翔」とのガール・ミーツ・ボーイの物語が、2018年10月から放送開始となる。
■『色づく世界の明日から』ストーリー概要
物語の始まりは数十年後。
日常の中に小さな魔法が残るちょっと不思議な世界。
主人公の月白瞳美は17歳。魔法使い一族の末裔。
幼い頃に色覚を失い、感情の乏しい子になった。
そんな瞳美の将来を憂えた大魔法使いの祖母・月白琥珀は魔法で瞳美を2018年へ送り出す。
突然、見知らぬ場所に現れとまどう瞳美の視界に鮮烈な色彩が飛び込んでくる……。
そこで今回は、放送開始に先駆け、本作の主人公である月白瞳美役を演じる石原夏織が語った作品の魅力についてを紹介しよう。
●月白瞳美役・石原夏織が語る『色づく世界の明日から』の魅力
――石原さんが演じる月白瞳美はどういったキャラクターですか?
この作品で描かれる世界は魔法が使える世界なんですけど、私が演じる瞳美ちゃんは、いろいろな事情があって、あまり魔法が好きじゃない女の子です。子供の頃に色が見えなくなり、すごく内向的な子で、自分の気持ちを表に出したり、他人に伝えたりするのがすごく苦手。知らない人に声を掛けられても、聞こえるか聞こえないかくらいの返事しかできないくらい大人しい子です。
――自分と似ているところはありますか?
私、実はすごく人見知りなんです。瞳美ちゃんほどではありませんが、自分から進んで声を掛けるのはけっこう苦手で……。そういった積極的ではないところが瞳美ちゃんと似ていると思います。ただ、他人から声を掛けられると、喜んで返事をするタイプなので、そのあたりはちょっと違いますね(笑)。
――実際に演じてみた感想はいかがでしょうか?
私が今まで演じてきた役は感情爆発型で、自分の思いを素直に伝える、“活発”とか“元気”が代名詞になるような女の子が多かったのですが、それとは真逆の、瞳美ちゃんのようなタイプは初めてだったので、最初はかなり戸惑いがあり、どこまで感情を抑えればいいのかがなかなか掴めませんでした。さらに、話数を重ねていくことで、瞳美ちゃんと他のキャラクターとの距離が縮まっていくんですけど、今度はどこまで近づいていいのかがわからなくて……。例えば、“ありがとう”というセリフひとつをとっても、“ありがとう”という気持ちを込めず、ただ言うだけ、みたいな感じで、最初はとにかく出過ぎた感情を抑えるのに苦労しました。
――これまでの感情爆発型と比べるといかがですか?
これまでの経験もあるので、やはり感情が爆発するタイプのほうが演じやすいとは思うのですが、瞳美ちゃんのように、感情を出さないキャラクターは、その分だけセリフひとつひとつの重さがすごく大切になってくると思います。発言が少ないからこそ、その発言に大きな意味があるんじゃないかと思うんです。そういう意味では、自分にはなかった引き出しなんですけど、演じるにつれて、すごく面白くなってきました。あと、瞳美ちゃんは内向的で、他人に対して感情を出しませんが、もちろん感情がないわけではなく、そのあたりはモノローグに出てくるので、モノローグと他人と話すときのセリフの差別化も大変でした。やはりキャラクターとして一本筋を通さないといけないので、音響監督さんと話し合いながら作り上げていった感じです。
――石原さんにとってすごく演じがいのあるキャラクターなんですね
そうですね。賑やかな友達やクラスメイト、先輩たちとの関わり方もすごく面白いです。絶対に瞳美があのテンションに乗ることはないと思うんですけど、少しずつ馴染んでいこうとするところがすごく面白くて。自分だったらすぐに乗ってしまいそうなんですけど、その気持ちを抑えながら演じるのが、最近はすごく楽しくなってきています。