iPhone XSシリーズでは、5.8インチモデルに加えて、6.5インチのiPhone XS Maxがラインナップされている。基本的に、iPhone XSシリーズはiPhone Xの後継モデルであり、デザイン要素についてはiPhone Xに準じた格好となっている。これについては、iPhone XRも同様だが、XRについては別の記事で触れたい。

iPhone XSとiPhone Xを比較すると、デザイン上、異なる点は数えるほどしかない。まず重量が3g増えたこと、そしてカメラ部分のサイズがわずかに大きくなったこと、ゴールドカラーが加わったこと、そしてアンテナラインが追加されたことだ。

  • 左からiPhone X、iPhone XS、iPhone XS Max。5.8インチモデル同士で違いを見つけることは、カラー以外難しい

iPhone XSはiPhone Xと同じサイズだ。長さ143.6mm、幅70.9mm、厚さ7.7mmは共通サイズとなっている。しかしながら前述のように3g増加し、重さは177gと、決して軽いデバイスではない。

ゴールドカラーの実機を握ってみると、iPhone Xと少し異なる感覚がある。後述の渋く輝くステンレススチールのフレームは、少し指に引っかかるような感触を覚えるのだ。もちろん表面はスムーズなのだが、なんとなく滑りにくくなっているような印象だった。なんらかのコーティングが施されているのかもしれないが、Appleから特にコメントは得られなかった。

iPhone XS Maxは、これまで最も大きなサイズだったiPhone 8 Plusよりわずかに小さなサイズとなってはいるが、6.5インチのiPhone史上最大サイズのディスプレイを備える製品となった。しかしながら、数字よりもコンパクトに感じ、iPhone XからiPhone XS Maxに握り替えても、そこまで大きくなったという印象を受けなかった。

筆者はiPhone 6の4.7インチの時点で、片手では落としそうな不安に駆られ、両手で使うようになっていることもあり、画面の拡大自体は、QWERTY入力がしやすくなるメリットを感じるようになっている。大きくなったのに小さくなったという不思議な現象から得られるメリットは他にもありそうだ。

iPhone XS MaxとiPhone X、iPhone XSでは画面にせり出す「ノッチ」部分のサイズは同じだ。そのため、端末幅が大きなiPhone XS Maxの方が、ノッチを避けた左右の画面領域が広くなる。相対的には、ノッチによる非表示部分の割合は小さくなるということを、これは意味している。

もう一つ、意外なメリットはオーディオ再生だ。Appleは再生音量とともに、ステレオ再生の能力を向上させたと説明していた。画面サイズが大きく、左右のスピーカーの間隔がより広くなるiPhone XS Maxは、より音の拡がりを感じられるようになった。

これまでiPhoneでのビデオ視聴では、「音は聞こえればいい」という感覚で諦めていて、必要であればヘッドフォンでしっかりと音を楽しむようにしてきた。しかし新しいiPhone XS Maxのスピーカーでは、音の再現性が大幅に向上しており、高品位なオーディオを楽しめるようになる。