▼演者とキャラクターがともに成長していく『プリ☆チャン』
――アフレコスタートから約半年が経過して、当初抱いていたキャラクターへのイメージもまた変わったんじゃないかなと。
林 みらいのことは、最初はただかわいい女の子というイメージだったんですけど、演じていくうちに芯が強い子なんだなってわかってきました。えもが困っているときに引っ張ってリーダーシップを発揮することもありましたよね。困っている人がいたら助けたり、素直でまっすぐだったりするところが好きですね。
久保田 えもは第1話から感情むき出しというか、怒涛の喜怒哀楽を見せてました。でも、第12話「ハートを燃やしてみた!」でみらいが「やってみた技」の「ポンポンスカイハイドリーム」ができなくて悩んで居なくなってしまったとき、えもはみらいのことを信頼して探しに行ったんですよ。第1話のえもだったら、居なくなったことに関して「どうしよう」と言っているだけだったかもしれない。この子も成長しているんだなって思いました。
厚木 りんかちゃんはアイドルデビューをするときに「踏み出せばきっと花開く、青葉りんかです」と自己紹介をするんですけど、「踏み出せばきっと花開く」というのがりんかちゃんらしくて格好いいなと思ったんです。お兄ちゃんとのいざこざから「プリ☆チャン」へのトラウマがあったんですけど、それがミラクル☆キラッツを通して打ち解けることによってアイドルデビューを果たしたりんかちゃんにしか言えないことばだなって。私も一歩踏み出したことによって声優をやらせてもらっているので、感銘を受けました。あと、あんなちゃんが育てている花をかわいいと言っていて、意外とゲテモノ好きなところがマニアックでかわいいですね。
――これまでで印象に残った話数、シーン、セリフは?
久保田 えもはもう「えもい」ですよね。口癖というか鳴き声というか(笑)。もともとの「えもい」とはまた別の意味で言っていますし、名前ともかかっているので、自己主張が激しくてかわいいなって。最近は「えもぺろ」とか「えもえも」とかバリエーションを増やしていっているので、これからもいろんなところに入れていきたいですね。
厚木 私はやっぱり第15話の「りんか、やってみた!」です。りんかちゃんがなぜマネージャーに踏みとどまっているのかの葛藤が描かれる回なんですけど、収録の日にガチガチに緊張してしまっていて、当日の記憶がふわふわなんです。Aパートの前半を録り終わったとき、いっぱいいっぱいになって泣いてしまったんですよ。そのときにお兄ちゃんの青葉ユヅル役の豊永利行さんが「大丈夫だよ」と励ましてくださって、その後の収録はすんなりいけました。
林 私はたくさんあるけど、第12話や第13話「桃山みらいが、とんでみた!」のあたりが印象に残っていますね。これまでのみらいは弱いところを見せたことがないくらいポジティブにがんばっている子だったんですけど、「ポンポンスカイハイドリーム」ができなくてネガティブになっていたのが印象的だったんです。あ、まだ挙げてもいいですか?
――どうぞ!
林 第20話「ヤッホー!山のぼってみた!」です。はじめてみんなが喧嘩をしてしまう回なんですけど、えもやりんかに対して大人な対応を見せたみらいという新たな一面も観られました。成長には衝突がつきものというか、私自身がそういう展開が好きなんです。
――先ほどもお話をしていましたけど第1話も大変だったと聞いています。
林 そうなんです。Aパートのアバンの時点で全然ダメダメだったんです。「キラッとキラめく良い天気!」というセリフがあったんですけど、「全然いい天気そうじゃない」と言われて、「いい天気そうってなんだろう」と考えているうちにわからなくなっちゃったんです。しかも当時中学3年生だったので、はやく収録を終わらせなきゃいけなかったので。そのあとはさっきも言ったように久保田さんに励まされて、「主役がいないと話が進まなくなっちゃう! やるしかない!」と思って、気合いを入れ直してがんばりました。