将軍役の口説き文句
――猿飛あやめ役の夏菜さんは本当にセクシーな姿が似合ってたしまさかあそこまでされるとは……。堤真一さんの松平片栗虎も、監督が驚くほどはまってましたよね。
夏菜さんは福田監督が「今、どんどん面白くなってる人だからやったほうがいい」と強いプッシュでした。またあやめはすごい役ですけど、夏菜さんはさすがでしたね。
堤さんは、一昨年京都で『銀魂』の撮影をしている時に、たまたま隣で『本能寺ホテル』の撮影をやってて、現場に遊びに来てくれたんです。堤さんが「なんだ、またバカなの撮ってるのか」と言って。福田監督が「堤さん、続編は堤さんの役があるので、出なきゃいけないんですよ」と言ったら、「そうなのか、わかった」と(笑)。正式にオファーしたら台本もないのにOKしてくださって、福田監督との信頼関係が見えました。
――そして勝地涼さん。将軍役は難航していた、というお話でしたが。
福田監督が「勝地くんの顔って、将軍に似てない?」と。ただ将軍役は本当に難航しました。みんなやりたい役だとは思うのですが、裸にもならないといけないし、求められるものが高いので、周囲の方が難色を示すことも多くて……。公衆の面前で「股間が足軽」と言われるわけじゃないですか。我々は「本当は"でかい"人じゃないと、出られないんですよ」と言って口説いていました。だから、勝地さんは本当に器がでかいんですよ(笑)。
新たなスターを生み出す福田監督
――前作からスターの方だらけでしたが、特に若手の方たちは菅田将暉さんがアカデミー賞で最優秀男優賞になり、吉沢亮さんは主演作とCMが増えてどんどん活躍されていますよね。
本当に、前作からさらに、スターだらけになっています。福田監督は単発での仕事をするのではなく、一度出演すると何度も出演することになることが多いです。互いに刺激しあって、みんなと成長しあうことを大事にしているのだと感じます。だからこそ、新たなスターが生まれるのだと思います。
――撮影にも参加されて、改めてプロデューサーの目線から見所だと思うのはどのシーンですか?
撮影の合間に「今日は本当に大切なシーンだから、頑張らなきゃな」って、気がつくと毎日言っていました。それくらい見所だらけだということです。真選組同士のやりとりも、美しき男たちの戦いで、本当に泣けてしまいます。特にクライマックスの勘九郎さんと春馬さんのやりとりはすごかった。カメラが春馬さん向けで撮っている時も勘九郎さんは映っていなくても全力で挑んでくる。その受けの演技をする春馬さんが本気で応えて感動していく様が伝わってくる。観ているスタッフも皆、泣きました。素晴らしい演技合戦です。
――映画自体の目標、ビジョンはあったんですか?
「より面白いものを作っていく」しかないとは思うんですが、前作のキャッチコピーにもなっていたように「笑って泣いてアツ熱くなる」という部分がパワーアップして、もっと笑って、もっと泣いて、もっと熱くなる作品に仕上がっていると思います。
――最後にすいません、佐藤二朗さんの役はあれでよかったんでしょうか?(笑)
もうちょっと増やした方がいいのかなと思ったけど、福田さんが「あれくらいがちょうどいい」と言ってました(笑)
■松橋真三
映画プロデューサー。早稲田大学法学部卒業後、WOWOW入社、後に独立。映画『バトル・ロワイアル』の協力プロデューサーから始まり、『ただ、君を愛してる』『パラダイス・キス』『るろうに剣心』『黒執事』『オオカミ少女と黒王子』『ママレード・ボーイ』など20本以上の映画、ドラマを企画・プロデュース。現在もワーナー・ブラザース映画とプロデューサー契約をしている。
(C)空知英秋/集英社 (C)2018 映画「銀魂2」製作委員会
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