日本の企業や新しい世代の日本の最高データ責任者(CDO)たちは、より大規模かつデータドリブンな変革を達成するために、どうすればこの問題に対処できるのでしょうか?本稿では、データドリブンな変革を成功させる5つの重要な要素をリストアップします。

CDOの役割

昨今、多くの企業が増大するデータ量と格闘を続けています。その結果として、日本のIT部門や技術担当者は、データを効果的に活用する方法の管理、分析、発見に迫られています。

大規模なグローバル企業の多くは、同様の課題に対して、新たにデータリテラシーに重点を置くとともに、エグゼクティブレベルのチームに新しい役職、すなわち最高データ責任者(CDO:Chief Data Officer)制度を導入して、データに関する戦略、フレームワーク、実装を担当させています。

CDOは現在、組織の中で最も急激に進化している役職の1つです。CDOは責任と影響力を持った変革の立役者であり、組織のデータドリブンな変革をリードする存在です。

事実、ガートナー社のCDOに対するアンケート調査では、今日のCDOはエグゼクティブ級の役員の中でも特に厳しい仕事に従事していることが分かりました。CDO制度の普及は目覚ましく、ガートナー社、フォレスター社いずれの調査でも、すでに組織の半数以上にこの肩書を持つ人材がいることが述べられています(Survey Analysis: Third Gartner CDO Survey - How Chief Data Officers Are Driving Business Impact & Forrester: "Chief Data Officers Play A Leading Role In Business Transformation")。

CDOという役職は、組織の多種多様な要求を満たす上で、さまざまな部署から求められて生まれたものですが、その核心にあるのはエンタープライズ/変革のレベルにおいてデータから価値を引き出す必要性が高まっている、ということです。

ガートナー社が行ったCDOに対する世界的なアンケート調査によると、CDOが組織内で成功を収めるにあたり最も障害となるのが「変化を受け入れるという企業文化上の問題」であり、続いて「貧弱なデータリテラシー」が挙げられています(Survey Analysis: Third Gartner CDO Survey - How Chief Data Officers Are Driving Business Impact)。

いずれも従業員の意識に起因する問題です。日本の企業や新しい世代の日本のCDOたちは、より大規模かつデータドリブンな変革の一部として、どうすればこの問題に対処できるのでしょうか?そのためのソリューションには5つの重要な要素が含まれます。すなわちデータ、アクティビスト、リテラシー、アプリケーション、アイデアです。

データ

データは1カ所にまとまっているという考えは、現実的ではありません。ソーシャルデータ、オープンデータ、IoTといった新しい種類の細分化されたデータセットが、かつてないペースで流入する今日の世界では特にそうです。そのため、一定レベルのガバナンスを等しく適用することは不可能ですし、するべきではありません。その代わりに、以下の点に重点を置くべきです。

  • データ全体の状況をできるだけ広くマップ化して把握する
  • できるだけデータに近いところでさまざまなレベルのガバナンスを適用する

ガバナンスにおける注力は、コンプライアンス上の理由から最も取り扱いに注意を要するデータに主に向けられるべきであり、さらに最もミッションクリティカルなデータや利用回数、再利用回数の多いデータにも注力を向ける必要があります。

アクティビスト

次は人材の問題に目を向けましょう。アクティビスト(活動家)とは、あなたの組織の中でデータスキルが一番高い人たちのことです。データアーキテクト、データサイエンティスト、アプリケーション開発者、ビジネスアナリストなどと呼ばれているでしょう。これは「縦割りの壁を破る企業文化」を作り出す人材を指します。

組織の別の部署からデータを取り出し、新しいやり方で組み合わせる権限をアクティビストたちに持たせるべきです。彼らにはデータへのアクセス権と、基準から外れた場合にも許容されるという権利を与えるべきです。

ただし一定の制限は必要です。例えば行動規範に関する研修の受講を促す、十分に高い認証グレードの取得を義務付けることなどが挙げられます。また、成功例にはスポットライトを当てて表彰すべきです。アクティビストの仕事は、難易度が高くてもその仕事が称賛されるならば、ニーズの高い人材の雇用を維持できる可能性が高まるとともに、周りの従業員が追随する道も開かれます。