薬はジュースで飲んでも良い?

――薬は、必ず水で飲まないといけないのでしょうか?

紀平さん:やはり、お水(あるいは白湯)で飲んでいただくのがベストです。たとえば薬には、フルーツジュースと一緒に飲むと吸収されにくくなるものがあります。効き目が落ちるんですね。

逆に、血圧の薬をグレープフルーツジュースと一緒に飲むと、薬の効果が強くなり副作用が出ることもあります。

あと、お茶、炭酸水、牛乳なども避けましょう。薬には胃では作用せずに腸まで届かせる、といった効果を狙ったものがありますが、水と一緒に飲まないとpHが変わってしまい、効き目を阻害してしまうことが考えられます。

水や白湯以外の飲み物で飲むと薬の効果を阻害してしまう場合も

また、子ども向けに飲みやすくなっているドライシロップの薬がありますが、中にはジュースやスポーツ飲料などと一緒に飲むと、苦みが増して逆に飲めなくなることがあります。

――薬を水で飲んだ直後に、ジュースを飲むのはどうでしょう?

紀平さん:それは、薬をジュースで飲んだことと同じですね。

運転前服用禁止は自転車もダメ?

――症状が改善したら、処方された薬が余っていても飲まなくて良いのでしょうか?

紀平さん:これは場合によります。医師によっては薬を多めに出すこともあるとは思います。でもたとえば喘息の患者さんの咳止め薬なら、飲み切ることが大事です。

中耳炎であれば抗生剤だけでなく、鼻の点鼻薬も最後まで使い切る方が良いですね。

――「運転前服用禁止」の薬、自転車の運転なら飲んでも大丈夫でしょうか?

紀平さん:自転車の運転も、基本的には乗用車の運転と同じと考えましょう。

――薬にアルコールは控えるようにと注意書きがある場合、何時間空ければ良いですか?

紀平さん:基本的には2時間くらいですね。ただ、薬の服用にかかわらず、身体に炎症が起きているときなどはアルコールは治りを遅くしてしまいます。

薬で治している期間中は、飲まないのがベストです。

――食欲もわかないくらい症状が酷いとき、空腹でも「食後」の薬は飲めますか?

紀平さん:痛み止めなどは、空腹時に飲むと胃を荒らします。ビスケット1枚でも良いので、服用前にお腹に入れるようにしてください。本当に何も食べられないとき、胃を守る成分が入っている薬であれば、少し多めの水で飲むと良いと思います。


知っているようで、意外と知らない薬の飲み方。これまで「食間」と言われて、ご飯や味噌汁と一緒に飲むものだと誤解していた人はいませんか?

また、薬を水で飲まなければいけないのは知っていたけれど、その理由は曖昧だった、という人も多いのではないでしょうか。薬剤師さんに正しい知識を教えてもらうことで、もしものときにも困らない薬の飲み方ができそうです。