このように、「伝統ある老舗からの新しい味わい」が2018年のトレンドの一つにあるようだ。また、高級感や渡されたときの楽しさの演出も手土産として重要なポイントとなる。

湯布院のカフェ・theomurata(テオムラタ)は、パッケージにもこだわっている。「ビーンズショコラ桐箱セット」は、カラフルな筒のパッケージがおしゃれ。色のセレクトは朱や山吹など日本の伝統色で構成されており、桐箱や専用のトレイなどさまざまな演出が施されている。チョコレートに混ぜ込まれた茶葉の食感が楽しい「茶葉ショコラ桐箱セット」は茶筒のようなパッケージで、漆塗りにすることで高級感を醸し出している。

「黒豆で一番になりたい」と考案した蜜漬けや煎り豆、最中など、黒まめの味わいを追求した善祥庵の「黒まめ菓子のお詰合わせ」は、希望があれば風呂敷包みで提供している。それだけでぐっと「手土産感」が増すので、好評だという。

その一方で、東京・蒲田のうなぎ会席 藍の家亭のふっくらと香ばしい「国産うなぎ蒲焼き」は、羽田空港の近くということもあり、国際的に通用するよう洗練されたパッケージにしているという。黒地に英語の金文字になっている紙袋は、まるでアパレル高級ブランドさながらの洗練されたデザインだ。

  • theomurata「ビーンズショコラ桐箱セット」

  • theomurata「茶葉ショコラ桐箱セット」

  • 善祥庵「黒まめ菓子のお詰合わせ」

  • うなぎ会席 藍の家亭「国産うなぎ蒲焼き」

このほかにも、紀州の梅干しに梅を食べて育った鯛の身を詰めたという岩谷の「紀州梅真鯛梅」、低温でじっくりと抽出したBenefiteaの旨味がまろやかな「高級ボトリングティー『覚醒』」、味わい深い黒毛和牛を和風の鰹だし風味の土佐煮と洋風の葡萄酒煮で仕上げた鎌倉 御代川の「鯉之助さんの葉山牛三昧」、鼻をくすぐる香りのちりめん山椒と風味が豊かな佃煮をセットにした赤坂とゝや魚新の「じゃこ山椒と自家製佃煮の詰め合わせ」など、各店舗でこだわりや趣向を凝らしたラインナップが並んだ。

今回出品された品々は、試食や聞き取りをもとに現役秘書らによる評価が行われ、出品企業へその内容がフィードバックされる。フィードバックを受け、手土産として渡しやすいサイズへの変更や、パッケージに高級感を持たせるなどの変更を加え、企業側も品評会を経てよりよい商品開発へと生かしているという。

  • 岩谷の「紀州梅真鯛梅」

  • Benefiteaの「高級ボトリングティー『覚醒』」

  • 鎌倉 御代川の「鯉之助さんの葉山牛三昧」

  • 赤坂とゝや魚新の「じゃこ山椒と自家製佃煮の詰め合わせ」

今回初めて参加したという某大手企業の女性秘書は「これまで定番のものを用意していましたが、今回、直接お話をうかがったことで手土産選びの感覚が今後は変わるように思いました。自分が選んでいても、実際に食べたことがなかったのですが、今回試食をしてどんな味なのかを知ることができたのも大きいです」と、新しい手土産との出合いに手ごたえを感じていた。また、「品物のこだわりやポイントなども、お渡しする方に一緒にお伝えしたくなりますね」と、各種の手土産にまつわるストーリーにも注目していた。

品評された手土産は、現役秘書らのおすすめポイントなどとともに、情報サイト「接待の手土産」へ掲載されるので、ぜひチェックして参考にしてみてはいかがだろうか。