パナソニックが9月13日、気象情報と連携して「AIで先読み」するエアコンを発表しました。花粉やPM2.5の飛散予報をもとに、部屋の空気の汚れを先読みして運転するというもの。詳細をレポートしましょう。
今回パナソニックが発表したのは、ルームエアコン「エオリア」シリーズの上位モデル、WXシリーズとXシリーズの新製品です。発売は10月下旬からで、価格はオープン、市場想定価格(税別)はWXシリーズが32万円前後から43万円前後、Xシリーズが26万円前後から41万円前後です。両シリーズとも無線LANを内蔵したIoT家電です。
エオリアシリーズは、「健康な空気と暮らそう」というコンセプトのもと、清潔性・快適性を向上させたエアコン。空気清浄機能を搭載しています。部屋の環境にあわせて「アクティブクリーンフィルター」が可動して、部屋の空気をキレイに。およそ20畳相当という高い集じん能力を持ちます。
パナソニックの調査によると、エアコン購入層のおよそ90%が、エアコンの空気清浄機能について「魅力的」と答えています。部屋の空気をキレイにする空気清浄機は、もともと人気の高い家電ですが、空気清浄機能を備えたエアコンもニーズは高そうです。
従来、このアクティブクリーンフィルターは、部屋が空気が汚れてから稼動してキレイにするというものでした。今回の新製品では、気象情報とエオリア本体が連携して、部屋の空気が汚れる前に先読みして空気清浄機能をONにします。それが「AI先読み空気清浄」です。
エオリア本体が取得する気象情報は、民間気象会社のウェザーニューズが提供します。毎朝、PM2.5と花粉の飛散予測を市区町村ごとに情報取得し、エオリアAIが住宅環境にあわせて空気が汚れるタイミングを予測するというわけです。この機能を使うには、エオリアをインターネットにつなぐ必要があります。
住宅の気密性、換気、窓の開閉などの影響を受けて、部屋の空気は汚れます。エオリアAIの賢いところは、環境に応じて運転状況を最適化していくこと。エアコン本体のホコリセンサーによる実測値と、AIの予測値を比較しながら、その差を補正して運転します。使えば使うほどAIが成長して、より住宅環境にあった先読み運転をするわけです。
「予測値と実効値をフィードバックして、改善にむけてAIが賢くなっていくというのは世界初です。それぞれの部屋環境にあわせて運転するために、AIを採用しました。
これまでパナソニックは、“エコナビ”という統一コンセプトでエアコンのパフォーマンスデータをもとに効率的で快適な省エネ運転の実行を行ってきました。これも、言ってみればAIです。
新製品は、気象情報と連携し、さらに実測値をフィードバックして、考えて改善していくというもう一歩進んだAI運転です。この部分が、他社のAIとは違う部分です」(パナソニックのエアコン事業部、白土清事業部長)。