▼ナイトプールにタワーズロックとインパクトある商品が続々と
――「そうめんスライダー」以降、次々とリニューアルして世に送り出しています。リニューアル商品を作るときに意識されていることは?
「そうめんスライダー」に限っては、ふつうのリニューアルでは飽きられるだろうと思い、大きくしていますね。特に「ビッグストリーム そうめんスライダー エクストラジャンボ」は幅120cm、高さ73cm、走麺距離は5mとビッグサイズで話題になりました。
――「ビッグストリーム そうめんスライダー ナイトプール」はいかがですか?
これは、当時ナイトプールが注目されていて、私も行ってみたくて、その行きたいという想いを商品開発にぶつけました(笑)。
――そういう経緯だったんですね。なかなかおもちゃでナイトプールというのはイメージになかったので驚きました。
話題にしたいという気持ちもありましたし、その時代で流行っているものには乗っかっていこうという姿勢を大切にしています。ターゲット層も20~30代の女性にして、話題化を狙おうと思っていました。過去の実績もあったので企画はスッと通りました。
――インスタ映えもしますよね。
そうなんです。インスタ映えする色はピンクだと聞いたことがあったので、ピンク色にしてみました。あとは女子が好きなシェルやフラミンゴをあしらっています。
――実際にナイトプールには。
まだ行けていないんです。なので妄想上の、憧れのナイトプールです(笑)。
――そして、最新の「タワーズロック そうめんアドベンチャー」。これはもう、とにかく、でかい!
「タワーズロック そうめんアドベンチャー」もやりたいことを詰め込みました。こちらもサマーランドさんとコラボしていて、実際にあるタワーズロックというスライダーが恐竜の発掘現場をデザインしているので、それをイメージしています。ファミリーで使うシーンが多いので、子どもが好きな恐竜も詰め込んでいます。
あと、スライダーの回転数も多くしているので、箸を伸ばせる部分、つまりそうめんをつかめるカ所が多いんです。より大人数でのパーティに対応できるようにしました。
――大迫力の「タワーズロック そうめんアドベンチャーですけど、技術的な面ではどのように変化していますか?
スライダーを固定するための支柱の部分があるんですけど、これまでは支柱を一つひとつ差し込んでいて時間がかかっていました。今回は、この支柱部分が傘の柄みたいに全部くっついていて、組み立てが楽になっています。
▼「TKG」ということばありきで商品を作る
――平林さんは、料理や食べることが好きだったり、ナイトプールに行きたいだったり、自らが楽しめるもの、興味があるものというのが企画の発想の根幹にありますね。自分が楽しめないとほかの人も楽しめないだろうと。
それはありますね。自分を興味を持ったものを深く考えています。「ホームパーティにこんなアイテムがあったらいいだろうな」とか。あとはことばの面白さですね。「究極のTKG」は、たまごかけごはんが「TKG」と呼ばれているのがもう面白かったんです。どこか引っかかるじゃないですか。なので、「TKG」ということばありきで商品を作ることを決めていました。
――「究極のTKG」についてもまた次のインタビューで深くお聞きしたいと思っています。普段企画を考え慣れていない人だったら、その「自分の興味があるもの」を実際に企画に落とし込むまでの難しさ、壁があると思うんですよ。昔からよく企画を考えられていたということですか?
そうですね。私はデザイン学校に通っていて、工業製品などをデザインする学科だったんです。でも、それよりも新しい使い方とかを考えるほうが好きだったので、企画に向いていたんだと思います。
――考えるのが好きというのはちいさいころから?
はい。発明家の伝記をよく読んでいて、発明家にあこがれていました。特許で生活するという夢もありました(笑)。
――ほんとにできそうな気がします。平林さんが企画された「天空パーティー 寿し大観覧車」なんてすごいアイデアですよね。
回転寿司を縦にまわすという(笑)。あれも既成概念を変えたかったからですね。
――そんな平林さんから、これから企画職を目指している方に向けてのメッセージなどをいただければ。
企画をするなかで、自分しか考えられない視点というのがあると思っています。その考えを軸に、深く考えて「自分はどうしてこれを面白いと思うんだろう」という部分を追求してほしいと思います。「このアイデアはダメだ」と言われても、その意見を聞くのももちろん大事なんですが、アイデアの見せ方を変えるだけで、その考え方が評価されるかもしれない。軸は曲げずに臨機応変に。
――まさに一度「ビッグストリーム そうめんスライダー」のプレゼンに落ちたけど2年間水面下で動いて企画を通したやり方ですね。
そうなんです。あと、昔、玩具業界に入る前の話ですが、面白いと思ったものを形にしてプレゼンしたら、全然笑いも取れずに冷たくされたこともありました。「こんなにいいアイデアなのに!」って。でも、いまはそれがおもちゃメーカーならではの視点で活かされています。これも見せ方を変えるということですよね。自分が欲しいものがあったら、「なんでこれがほしいのか」を考えるといいと思います。「面白い」と心が動いたら、そこに理由があるはずなんです。
――ありがとうございます。ちなみに、いま平林さんのアンテナに引っかかっている話題のものは。
いま興味があるのはソフトクリームですね。つくる工程が面白いので、いいなあって(笑)。
――やっぱり食べ物なんですね! 今後ソフトクリームのおもちゃが出るかもしれない!
かもしれません(笑)。