オーディオテクニカが2018年秋の新製品11モデルを発表しました。プレミアムクラスのハイレゾヘッドホンに2種類の完全ワイヤレスイヤホン、そして最長70時間の連続リスニングが楽しめるワイヤレスヘッドホンなど……。それぞれの特徴を解説しながら、あなたにふさわしい1台を探してみたいと思います。
贅沢度はロールスロイス並み!? 46万円の“レザーヘッドホン"
一番熱い話題をさらいそうなモデルのひとつは、“レザーヘッドホン"の異名をうたう「ATH-L5000」。ヘッドバンドとイヤーカップを覆う上質な本革は、ロールスロイスなど英国高級車のインテリアを飾ってきたConnolly社が特別に製造したものです。ヘッドホンは全世界500台限定。価格はオープンですが46万円前後で12月14日に発売を予定しています。
58mm口径という、オーディオテクニカの歴代ヘッドホンの中でも最大サイズの大口径ドライバーユニットを搭載。本格的なヘッドホンアンプと組み合わせてパワフルに鳴らし切りたい、ヘッドホンマニア向けのモデルです。バイオリンやギターなどアコースティック楽器にもよく使われるシカモアという木製のハウジングの上を、プラスチックよりも音抜けがよい革素材で覆うことによって、開放型ヘッドホンにも迫る透明感と切れ味を実現しています。
イヤーカップの構造は密閉型なので、音漏れの心配はなくアウトドアで使うこともできますが、レザーの日焼けや雨濡れはケアしながら使いたいところ。大事に使い込むほど、音の鳴りっぷりからレザーの色合いまで、味わいが深まってきそうな“一生もの”ヘッドホンです。
ハウジングの素材にチタンを使った高級ポータブルシリーズ
オーディオテクニカの調査によると、いまどきのヘッドホン・イヤホンはワイヤレスモデルの売り上げが中心に伸びています。一方で、本格的なハイレゾ再生が楽しめたり、さまざまな素材や構造がユニークな音の違いに反映される面白さを、ストレートに味わえる「有線モデル」の人気も衰えていないそうです。
特に、ヘッドホン・イヤホンのスペシャリストであるオーディオテクニカのラインナップは、いまだに80%近い売り上げを有線接続のヘッドホンとイヤホンが占めているのだとか。その有線タイプのフラグシップとして、オーディオテクニカは3つの新製品を発表しました。発売日は同じ10月19日で、ラインナップと価格の見込みは下記の通りとなります。
・ヘッドホン「ATH-AP2000Ti」/ オープン(推定市場価格は14万円前後)
・イヤホン(カナル型)「ATH-CK2000Ti」/ オープン(推定市場価格は8万円前後)
・イヤホン(オープン型)「ATH-CM2000Ti」/ オープン(推定市場価格は5万円前後)
3つのモデルが共通しているのはハイレゾ対応であることと、ドライバーを格納するハウジングの素材に、音の伝播特性に優れていてオーディオ向きといわれるチタンを使っていることです。仕様やサイズは3つのモデルで異なっていますが、振動板には薄手素材の硬度を高めるDLC(Diamond Like Carbon)コーティングをかけて、パーメンジュール磁気回路を搭載しています。
ヘッドホンは、昨年(2017年)発売の開放型フラグシップ「ATH-ADX5000」にも搭載されている、オーディオテクニカの先進技術を継承。マグネシウム合金の柔軟なヘッドバンドと、柔らかなシープスキンレザー製のイヤーパッドによる装着感も一級品。バランス接続用のケーブルも付属しています。
カナル型のイヤホン「ATH-CK2000Ti」は、ハウジング内部に2つのドライバーを向かい合わせに配置して、駆動力の向上と安定化を図る「デュアルフェーズ・プッシュプルドライバー」を採用。従来モデルと同等以上の駆動力を維持しながら、ドライバーのサイズを小型化して装着感も高めています。ケーブル交換によるバランス接続も楽しめます。
3つの“チタンシリーズ”の中で少し変わっているモデルが、イヤホンの「ATH-CM2000Ti」です。ハウジングをオープン型のデザインとしたことによる、開放感のある音を特徴としています。オーディオテクニカとしても、高価格帯でオープン型のイヤホンを発売する機会は8年ぶりなのだとか。
カナル型は苦手だけれど、音にはとことんこだわりたい人にぴったりなイヤホンです。形状がシンプルなので、耳の後ろ側にケーブルをかけて装着する“ループ掛け”のスタイルが選べます。