ここで、期末テストに出ないかも知れないがとても重要な設定が一つあります!
最下段にある「バックアップ元から削除するとき、リモートバックアップフォルダのファイルも一緒に削除しないで下さい」というチェック項目。ただのハードウェアであるNASに「しないで下さい」と、なぜか下から目線で懇願するような文章なのかは不明ですが、これがNASの使い方に大きく関わってきます。
まず、この項目のチェックを外したときの動作ですが、一言でいうと「PC側と完全に同じ状態を保つ」ことになります。詳しくは図解します。
この動作を一般的に「同期」と言います。常にPCと同じ最新の状態を保てるメリットがありますが、例えば、誤ってPC側のファイルを消してしまうと、バックアップしたNAS側のファイルまで消えてしまうというデメリットがあります。
この設定で困るのが、例えばPCのSSDの容量が少ないときに、もう使うことはないであろう古いファイルなどはNASに保存して、PCからは削除してSSDの空き容量を増やしたい場合。特にノートPCで起こりがちですが、PCのファイルを消したからといって、NASのファイルまで消えてしまっては困ります。
そこで、先ほどの「しないで下さい」のチェック項目をオンにして、「NAS様にファイルを消さないでください!」とお願いする必要があります。
まぁNAS様にお願いすると言っても、クリック一発なので、この設定が必要な人はヘソを曲げずにチェックを入れましょう。もちろん、完全同期がお好みの人は、NASにお願いなんてできるかと突っぱねて下さい。
いざ、バックアップ!
NAS側のファイルを残すかどうか決めたら、あとはバックアップを実行するだけです。実行と言っても、LANを経由して自動的にNASへコピーされるだけなのですが、最初の1回目は全ファイルをコピーするので多少時間はかかります。
でも、このくらいはNASのバックアップ術としてはごくフツーの機能です。ある意味、手動でドラッグアンドドロップしていたのをツールが自動でやってくれているようなもんです。
一昔前のバックアップツールでは、「毎日●時にバックアップ」「毎週●曜日にバックアップ」などとスケジュールを設定してバックアップしていました。
しかし、Synologyの「Colud Station Backup」は、ファイルを追加したり、編集するなどして更新すると、NASに即時バックアップしてくれちゃいます。OneDriveやDropBoxなどのクラウドストレージを使っている人ならピンとくると思いますが、アレに近い動作です。
ユーザーは特に操作やスケジューリングなどしなくても、その場でバックアップしてくれるため、万が一、PCのHDDがクラッシュしてもNASに鮮度の高いデータが保存されているというワケです。
もし、NASからPCにファイルを復元したい場合は、「バージョンエクスプローラー」から復元したいファイルを選んで「復元」をクリックすれば、元のフォルダに戻してくれるという仕組みになっています。
次回はクラウドストレージとも連携できる近代のNAS機能について
さて、今回ご紹介したのはNASバックアップ術の基本中の基本です。バックアップ用にNASを導入した際には、まずはやっておきたい設定となります。しかし、近代のNASはこれだけでは留まりません。
OneDriveやDropBoxなどのクラウドストレージとも連携してバックアップが可能になります。また、スマホとも連携できる機能も当然のように備えています。その辺りは、次回を待て しかして希望せよ!