ペイヤーからパートナーへの変革を目指す
人生100年時代を迎えるにあたり、アクサ生命は新たに目指すものとして「お客様が自信をもって、より良い人生を送れるように真のパートナーとして寄り添うこと」を挙げた。そのビジョンは、単純に保険金・給付金を支払う「ペイヤー」から、保険を通じて顧客が健康で豊かな人生を送るための「パートナー」へと変革することだという。
このビジョンを実現するために2017年、アクサ生命は「スマート・ケア」を発売した。これは現在の医療の状況を踏まえ、短期入院や通院・手術に重点を置いて手厚く保障するサービスだ。しかし、顧客が求めていることは「健康な状態に戻る」こと。そのためには入院・手術に対して保険金・給付金を支払うだけでなく、その後のケアが必要とアクサ生命は考えた。そのために新しく発売された商品が「スマート・ケア with You」だ。
再発予防プログラムを付帯した「スマート・ケア with You」
アクサ生命の富田氏は、「スマート・ケア with You」をアクサ生命が目指す「ペイヤーからパートナーへ」を体現したサービスと説明する。「スマート・ケア with You」は、従来の「スマート・ケア」に、顧客が健康な状態に戻るための付帯サービスとして、「ケアコーディネーションプログラム」を加えた商品。具体的には、「糖尿病重症化予防プログラム」と「脳梗塞・心筋梗塞再発防止プログラム」となる。
例えば脳梗塞は非常に再発の多い病気であり、約34.3%。実に1/3もの人が再び発症してしまうという。しかも再発した場合は以前よりも重症化し、より危険性は高まる。その理由は、血液の流れが悪くなるような生活習慣に根差した疾患だからだ。だが適切な再発防止プログラムを受け、生活習慣を改善すれば、再発率はなんと2.8%にまで低下するという。
この再発防止プログラムを優待価格で受けられる仕組みを作ることで、持病の悪化と再発防止を図り、健康な状態に戻る手助けをする。これこそ、「スマート・ケア with You」のポイントといえるだろう。富田氏はこの「スマート・ケア with You」をきっかけとして、医療保険のあり方を変えていきたいと述べる。
「保険の申し込みをいただいたら、健康増進や病気の予防から、病気の重症化を防ぎ再発を防止するまでをパートナーとして伴走したいという想いがあります。従来のような保険商品ではなく、保険も含む医療サービスをお客様に提供したい……こういう想いを込めた商品です」
アクサ生命は、今後のヘルス戦略として商品とサービスの一体的開発を加速させるという。「人生100年時代」に向け、いま社会構造が大きく変わろうとしている。アクサ生命は、そんな時代の医療保険の在り方を問い、「ペイヤーからパートナーへ」という方針を打ち出した。同社はこれからどのような新商品を展開していくのだろうか、引き続き注目したい。