HDR10+は、現在の4Kテレビやスマホに普及しつつある映像の高画質技術「HDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)」のエコシステムをさらに発展させるため、2017年夏に20世紀フォックスとパナソニック、サムスンの3社が共同で起ち上げた新しい技術規格です。
HDR10+の特徴は、これまで以上に作り手の意図に忠実な色彩・コントラスト感などを再現するというもの。映像コンテンツの各フレームに「ダイナミック・メタデータ」と呼ばれる情報を加えて、これをHDR10+対応のテレビ、BDレコーダー/プレーヤー、セットトップボックスなどの機器が読み込むことによって実現します。
ハードウェアメーカーにとっては、ダイナミック・メタデータを読み込んでHDR映像を再現するアルゴリズムを追加するだけで済みます。HDR映像の高画質化を行う映像エンジンを作り込む労力とコストを、別の開発に割り振れるというメリットも生まれます。そのため、HDR10+の普及は、一定品質以上の高精細なHDR対応テレビを市場に普及させる起爆剤としても期待されています。
パナソニックなど3社が起ち上げたジョイントベンチャー、HDR10+テクノロジーズでは、2018年の6月からHDR10+の技術ライセンス・認証プログラムを開始しています。HDR10+は参加パートナーにライセンスフィーを求めないオープンな規格であることから、比較的安価なテレビやBDプレーヤーにも、より高画質な映像コンテンツを楽しめる環境が広がる可能性も生まれてきます。
今後、パナソニックは、2018年度モデルのテレビ「VIERA」に、HDR10+対応の輪を広げる方針を示しています。欧州で販売するFZ950 / FZ800 / FX780 / FX740 / FX700シリーズに、そしてUHD BDプレーヤーはフラグシップのDP-UB9000をはじめ、DP-UB820 / UB420にHDR10+対応をアップデート提供します。
映像コンテンツ側は、20世紀フォックスとワーナーブラザーズがHDR10+対応の作品提供を予定。オンライン配信では、Amazonプライム・ビデオがすでに、HDR10対応コンテンツを一気にHDR10+対応へとアップデートする準備を整えているそうです。
テレビはGoogleとAmazonの音声操作に対応
テレビについては、欧州モデルのVIERAシリーズに対して、2018年内をめどにソフトウェアアップデートを実施。Googleアシスタント、Amazon Alexaに対応したスマートデバイスからの、音声操作に対応する方針も発表されています。
LUMIX期待のハイエンド・コンデジ
デジタルカメラのLUMIXからは、10月18日に日本でも発売を予定しているハイエンド・コンデジ「DMC-LX100II」が出展されていました。
明るいライカレンズと17MPの4/3型 高感度MOSセンサーによる、安定した高精細な写真撮影を提供します。ブースには、4K動画撮影や30fps「4Kフォト」撮影の実力を試せるコーナーがありました。カメラファンで常時ごった返しており、IFAのパナソニックブース内でも特に賑わうスペースです。