現在公開中の夏の特撮ヒーロー映画『劇場版 仮面ライダービルド Be The One(ビー・ザ・ワン)/快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー en film(アン フィルム)』には、ゲストとして『ビルド』には藤井隆、『ルパパト』には田中直樹が重要なカギを握る役どころとして出演している。
コントやバラエティのみならず、映画やドラマ、音楽などマルチに活躍する二人は、デビューから25年を経てもなお一線で表現者として輝き続けている。今回はプライベートでも非常に仲のいいという二人に、それぞれの視点で特撮ヒーロー作品の魅力や撮影現場の驚きを語ってもらった。
――お二人は映画やドラマなど、さまざまな現場と経験されていると思うのですが、今回特撮ヒーローの撮影に参加されて、「新鮮だな」と思ったところはございましたか。
藤井:まずは東映撮影所に行ける!というところですね。そこがまず新鮮でした。なにか単発でCMでとか、そういう感じでしかなかなか行けないスタジオだったので、駐車場に有名な方のお名前があるのを見て、そういうところから気持ちがグッと上がりました。
田中:わかる!
藤井:あとは今日もそうなんですけど、東映さんの本社に来れるっていうのが、すごくうれしいですよね。東映さんの出されているカレンダーがあって、それぞれのお部屋に貼られているんですけど、制作発表会見の時に気になって、担当の方にどうやったら何月でもいいので入っていけるんでしょうか?と聞いてしまいました。田中直樹と二人で入りたいんですけど……というご相談をさせていただいていたんです。
――あの、撮影の現場は……
藤井:そうでした!(笑) 撮影現場は、私が言うのもおこがましいのですが、みなさんが作品に対して本気で真摯に向き合っていらっしゃる姿が印象的でした。テレビシリーズと同時進行で撮影していますので、出演者の方、掛け持ちしてるスタッフさんは過酷だったと思います。でもそこにまったく妥協がないんですね。繰り返しやらなければいけないことも手を抜かない。でも端折れるところは端折っていくんですね。例えば、A班が待っているあいだにB班がスタンバイしておくとか、そういう時間と人を無駄にしない工夫が満載で、「仕事とはこういうものだ」ということをすごく感じました。
ゲストとして参加させていただいた私に緊張せず楽しく仕事ができるように話しかけていただいたりして、和気あいあいとした雰囲気でありつつ、NGを出さないように集中する時は集中する、とてもメリハリのある現場でした。また、特撮の現場ではないものをあるように(想像で)見て、演技をするのですが、監督や特撮のスタッフさんが私がイメージしやすいように仕上がりがどうなるのか毎回わかりやすく説明して下さいました。特撮の撮影技術も最先端でとても興味深かったです。そういった最新の技術を見事に仕切る若いスタッフの方と、全体をリードされている大ベテランのスタッフの方の姿を見て感動する場面が何度もありました。
――田中さんはいかがですか?
田中:まさに藤井が言っていた、本当にもう「プロの現場」だなあと率直に感じました。いろんなセクションの方が特撮の現場は集まっていると思うんですけど、スーツアクターの方のプロフェッショナルぶり、変身前のキャストのみなさんのプロフェッショナルぶり、それをカメラに収める、音を録る、ライトを当てる、各セクションの方が本当にすごいなと。そのすごさに圧倒されました。ほかの現場もすごいんですけど、特撮の現場は携わる方の数も多いので、そこのチームワークがないとスムーズに撮影がいかないですから、その中でのみなさんのプロフェッショナルぶりにびっくりしましたね。
映画を作りながら、もちろんテレビシリーズ放送のものも撮らなきゃいけない。それにスピンオフなんかもあるわけですよね。だからこそのチームワークなのかもしれないですけど、みんながスムーズにいくように、お互いの仕事をリスペクトしているなということをすごく感じた現場でした。