夏ドラマも後半戦に入った。視聴率という指標で見ると、綾瀬はるか主演の『義母と娘のブルース』(TBS系)が回を追うごとに数字を伸ばしているが、視聴者の“満足度”という点ではどうだろうか。この視点から、夏ドラマの盛り上がりを探っていく。

●「テレビ視聴しつ」満足度調査概要
・対象局:NHK Eテレを除く地上波6局(NHK総合、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性480+女性480=計960
・サンプル年齢構成:「10~19歳」「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女120サンプル
・調査方法:朝帯からゴールデン・プライム帯のレギュラー番組について月に1度、満足度と感想を収集するウェブ調査
・採点方法:最高点「5」、最低点「1」の5段階評価
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    『グッド・ドクター』(左から)上野樹里、山崎賢人、藤木直人

医療ドラマの敬遠層も取り込む

テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(eight社)によると、7月度の月間満足度調査ドラマ部門(NHK朝ドラ~23時台の深夜ドラマ)でトップだったのは、山崎賢人主演の『グッド・ドクター』(フジテレビ系、毎週木曜22:00~)で、5段階評価で4.22をマーク。

高満足度の理由は“山崎賢人の演技力”だ。視聴者の感想を見ると「山崎賢人くんの演技に惹かれて毎週必ず見てる」(16歳女性)、「山崎賢人さんの演技上手すぎ」(19歳男性)、「山崎賢人さんの演技が上手くて素晴らしい」(19歳女性)、「山崎賢人の演技力に脱帽」(16歳男性)、「今期一番。山崎賢人の演技に引き込まれる」(31歳女性)、「山崎賢人がうまい。ホストの時とは全く違う」(53歳女性)など、絶賛の嵐。“自閉症でサヴァン症候群の医師”という難役を好演しており、その演技に対する評価がそのまま高い満足度へとつながった。

また医療ドラマといえば、緊迫したシーンや、スピーディな手術シーンなどを想像するが、今作に対しては「ほっこりします」(52歳女性)、「とても心に優しく響くドラマ」(72歳女性)といった声が多く、主人公がひたむきでピュアなキャラクターということもあり “癒やし”の効果も生み、「医療ドラマが苦手な私でも楽しく観てます」(13歳女性)など、これまで医療ドラマを敬遠していた層も取り込むことに成功している。

視聴率上昇『ぎぼむす』は男性満足度トップ

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『義母と娘のブルース』(左から)麻生祐未、竹野内豊、横溝菜帆、綾瀬はるか、佐藤健

満足度第2位は、視聴率でも好調な『義母と娘のブルース』(TBS系、毎週火曜22:00~)で4.17。「笑いが止まらない」(12歳男性)、「とにかく面白い。日本中に勧めたい」(14歳男性)、「良い意味で事前の予想を裏切る内容。面白い!」(31歳男性)、「今期最高のドラマ」(64歳男性)など、10代から60代まで幅広い男性層の支持が高く、男女別で見ると男性満足度は4.11とトップに立っている。

また「1話はあまり面白くないと思ったけど、2話からだんだん面白くなって来て先が気になるようになった」(38歳女性)、「見れば見るほど面白いです。泣きながら見ています」(31歳女性)、「だんだん意味が分かってきた。切ない」(70歳女性)など、“だんだん”面白さが増してきたという感想も多く、徐々に視聴率が上昇してきた理由もわかる。

“きぼむす”の愛称も定着してきた同作だが、第6話からは“娘”が高校生に成長して第2章に入った。「出てる人がみんな好きなのでみんな幸せになってほしい」(22歳女性)、「夫婦で見ています。ハッピーエンドになりますように」(61歳女性)など、“ハッピーエンド”を望む視聴者にどう応えていくのか。