では、Roav DashCam C1で撮影できる動画の画質をチェックしてみることにします。最大撮影解像度はフルHDに相当する1920×1080ドットですが、1280×720ドット(30/60fps)の低解像度も選択でき、その分録画時間が増やせます。32GBのmicroSDHCカードを利用した場合、1920×1080ドット(30fps)で記録すると5時間20分間の撮影が可能ですが、1280×720ドット(60fps)では6時間、1280×720ドット(30fps)では8時間も撮影できます。
撮影できる映像はシャープネスの処理がかなり強いようで、他車や建物の輪郭が細部まではっきりと確認できました。ただ、その補正の影響からか、ボンネットやアスファルト、建物など、映像が全体的にざらざらしていると感じました。また、明暗の自動補正が苦手なのか、明るい空が多くを占める日中は若干暗めに写る傾向がありました。
Roav DashCam C1のレンズは広角タイプとなっており、画角は145度と広いのが特徴です。撮影した映像を見ると、ボンネットの左右や真上の道路標識なども映像に含まれており、実際にとてもワイドだと感じました。画角の広いドライブレコーダーにありがちな、画面四隅の極端な湾曲もほとんどなく、建物や他車などの細部も確認しやすいと感じます。
気になったのが夜間の映像です。ダイナミックレンジが思ったよりも狭いようで、照明の当たらない部分が暗く沈んでしまうほか、ヘッドライトに照らされるなどした明るい部分が白飛びする傾向があったのは気になります。ソニー製CMOSセンサーを搭載しているとはいえ、画質に関しては1万~2万円台の高価格帯モデルには及ばないと感じました。
駐車中の録画機能やWi-Fiを標準で備えるのが魅力
一般的なドライブレコーダーと同様にエンジンの始動と同時に電源が入り、映像の記録が始まるため、ドライバーが操作する必要は基本的にありません。microSDカードの容量がいっぱいになると、古いデータを上書きしてループ録画し続ける仕組みです。衝撃センサーを搭載しており、急停車したときや何かにぶつかったときに前後の場面を自動的に保存するので、肝心な場面が記録されていないといったことを防げます。
駐車録画機能は、エンジンの停止中に衝撃や振動を検出すると2~3秒でドライブレコーダーの電源が入り、数秒間録画を実行する仕組みです。ボンネットを軽く叩いた程度の振動でも起動しました。今回の試用中、当て逃げやいたずらといった場面には出くわしませんでしたが、何かあったときには心強い機能といえます。Roav DashCam C1本体にバッテリーを搭載しており、駐車時はそこから給電されるため、クルマのバッテリー上がりは心配せずに済みます。
Roav DashCam C1で注目なのが、1万円以下の低価格ドライブレコーダーとしては珍しくWi-Fi機能を搭載することです。Wi-Fiで接続したスマートフォンやタブレットから、記録した映像の再生や保存ができます。記録した映像をすぐに大きな画面で確認したいときに便利に使えます。
Wi-Fiは、iPhoneとAndroidスマートフォン向けに「Roav」という専用アプリを使って接続します。アプリの指示に従うだけで接続設定が完了し、SSIDやキーの入力などは一切不要なのは評価できます。アプリのレスポンスもよく、古めのスマホでもストレスなく動画を再生できました。
1万円未満の価格帯で購入できる国内メーカーのドライブレコーダーと比べると、レンズの画角が広いことやWi-Fiを搭載すること、駐車録画機能を搭載すること、本体の質感が高いうえにコンパクトな設計が魅力的に感じます。明暗の補正が弱くて白飛びが多めなことと、位置と速度を記録できるGPSがないこと、設置後に左右の調整ができないことが不満点といえるでしょう。もちろん、いずれも価格を考えればガマンできる範囲なので、限られた予算でも満足感の高いドライブレコーダーを手に入れたいと考える人におすすめできる製品といえます。