――キャストのみなさんとは撮影が終わった後、どんなところで遊んだりしていましたか?

撮影が早めに終わったときなんかは、撮影所の近くにあるカラオケ屋さんにみんなで行ったりしましたね。あと、お昼休みになると撮影所の外に出て、ラーメン食べたりしていました。

――特に仲良くされている方って、どなたでしょうか。

紗羽さんを演じている滝裕可里さんですね。喫茶店「nascita」や秘密基地でも一緒のシーンが多いですし、撮影を離れてもよく2人で遊んでいました。一度、群馬のほうへイチゴ狩りのバスツアーに行ったこともありました。お昼に温泉へ入ったんですけれど、お湯の中にリンゴがプカプカ浮いているところで(笑)。料理もおいしくて、とても楽しかった旅行でした。

――映画でも、美空と紗羽さんは常に一緒にいて、洗脳されて戦兎を襲うところでも2人同時でしたね。お2人がプライベートでもすごく仲良しというのは、うれしいところです。ちなみに第28話「天才がタンクでやってくる」では、紗羽が戦兎たちを裏切ってスパイ活動をしていたとわかり、美空が紗羽にビンタをするシーンがありました。あのシーンを撮影したときのことを詳しく教えてください。

私、それまで人の頬を叩くなんてやったことがなくて、人生初ビンタだったんです。ですからどうやったらうまくできるかなと思って、赤楚くんを相手に練習をしました。

――えっ、赤楚さんの頬を思いっきりビンタしたということですか?

違うんです。赤楚くんの手にバチーン!と(笑)。そこで赤楚くんから「押すように叩いたら痛いからね」とか「大きな音を鳴らすんだよ」とか、いろいろ指導をしてもらって。その練習のおかげで、撮影ではワンテイクでうまく紗羽さんをビンタすることができました。いや~、ビンタって難しいですよね。

――劇場版では、ブラッド族の伊能賢剛に操られた状態になった美空と紗羽が、秘密基地内で戦兎に襲いかかるというアクションシーンがありましたね。

あそこのシーンは、滝さんも私もすごく楽しんでやっていました! 戦兎に襲いかかる美空は、自分の心をなくしているので、演じる身としてはもう、めちゃくちゃにしてやろうという気持ちで臨みました(笑)。

――高田さんといえば、2014年に「第31回全日本忍者選手権大会」で優勝されているという実績を持っていて、実は身体能力が優れているんですよね。テレビではあまりその「特技」を生かす場がなかっただけに、映画のアクションシーンには力が入ったということでしょうか。

映画の衣装合わせのとき、上堀内(佳寿也)監督に「夏帆ちゃん忍者でしょ、動ける?」って聞かれたので、「動けまーす」と返事しました。でも、「ちょっとムリそうだからアクションシーンはスタントさんで行くね」なんて言われたものですから、自分に火がついてしまって「いや、私できるんでやらせてください! 吹き替えなしで美空を演じたいです」とお願いしました。ですから、映画でアクションをしているのは、ぜんぶ私自身です! 

――本格的な「立ち回り」をやられたのは、今回の映画が初めてということになりますか。

あそこまで激しいのはテレビではなかったですね。「殴る」とか「捕まえる」とか「叩く」という動きは、映画でしか観られない美空だといえます。

――グリスの猿渡一海、ローグの氷室幻徳が戦兎や万丈の仲間になってからは、秘密基地の中でもコミカルなかけあいがどんどん増えてきましたが、映画でも一海・幻徳のコンビと共に、美空や紗羽も日常シーンで笑いを取っていましたね。

一海と幻徳の会話は『ビルド』の中でもとっても好きなシーンです。台本を読んだときから、もう笑っちゃいますから(笑)。シリアスなだけでなく、ちょいちょい笑いがアクセントとして入ったりするのがビルドらしくてすごく好きです。今回の映画でも2人のコミカルシーンがいくつも盛り込まれているので、そこは大きな見どころだと思います。みんなが1年間キャラクターを演じて築き上げた関係性があるので、とてもいい状況でお芝居ができているんだと実感しています。美空と紗羽さんも、映画の冒頭シーンでかなりコミカルな芝居をしているので、そこにもご注目していただきたいですね(笑)。監督から「ここは女を捨てて演技してほしい」と言われたシーンですから!