「大衆酒場」といえば、中年サラリーマンの憩いの場、もしくは若者がワイワイやっているようなイメージがある。その分、ちょっと入りづらいと感じている人もいるのではないだろうか。また、価格は安いものの料理の味はイマイチなんてこともある。そんな、大衆酒場のイメージを覆す店が「大衆酒場 鳥の素揚げ ほしの」だ。
昔ながらの酒場風情が感じられる一軒
2018年7月4日に開店した「大衆酒場 鳥の素揚げ ほしの」は、10年ほど前から営業している新宿三丁目のワインバル「鶏の素揚げ hoshino」のオーナー・星野清彦さんが、同店の名物メニュー「鳥の素揚げ」をよりリーズナブルに楽しんでもらおうとオープンした店。
「大衆酒場 鳥の素揚げ ほしの」では、清潔感のある白暖簾と白提灯で若い女性にも気軽に入りやすいようにしている。一方で、昔ながらの酒場の雰囲気も感じてほしいとのことで、縄暖簾と赤提灯も下げられており、働き盛りな昭和世代のサラリーマンにとってもホッと一息つける親しみやすさが特長的だ。店内も清潔で、シンプルでゴチャゴチャしておらず、店内すべてが見渡せるところもなんだかとてもイイ。
メニューの中心に据えているのは「鳥の素揚げ」だが、その他のメニューを見てみると、料理のラインナップも価格帯も、よくある大衆酒場といった感じだ。しかし、こちらの店の売りは、ズバリ「料理のクオリティ」。老舗割烹料理店で経験を積んできた相馬和仁氏を料理長に迎え、定番メニューをより美味しく、一般の大衆酒場らしい低価格で味わえるという。
こだわりの刺身は、見た目も全然違う
例えば、「刺身の三点盛り」(税抜580円)を見てもごく一般的な価格だが、料理長が昔からお付き合いのあるまぐろ問屋さんから仕入れているという。早速、その「刺身の三点盛り」をいただいてみると、見た目から全然違う。
まぐろの身の厚さ、味の濃さが段違い。サーモンも新鮮且つまったりとした味わいで美味しい。「活赤貝刺」(税抜530円)も、割烹仕込みの目を見張るほどの綺麗な盛りつけで、なかなか大衆酒場ではお目にかかれないであろうレベルなのがひと目でわかる。
名物の「鳥の素揚げ」を堪能
看板メニューの「鳥の素揚げ」は、税抜580円という低価格で楽しめるのが嬉しい。もも肉をひと口頬張ってみると、パリッパリッとした皮の香ばしさと、ジュワッと口に広がる肉汁がたまらない!シンプルな味付けで飽きがこないし、大きすぎない絶妙なサイズなので、女性1人でも全然いけちゃうのではないだろうか。
大衆居酒屋の定番メニュー、「牛すじ大根」(税抜530円)は肉がゴロっとしていて食べ応えあり。「もつ煮込み」(税抜430円)は、よくあるドロっとした煮込みではなく、生姜が効いた澄んだスープで塩味が効いたとても上品な味。臭みの一切ない肉もとても柔らかい。ここでも料理長の熟練の技術による本格的な味を感じることができる。