――ここからはアンケート結果を離れて、少しケース側でオリジナルな部分について教えていただけますか

安田氏:基本的には電源部分をカバーで覆ったほか、裏面配線スペースを設けて、不要なケーブルの露出を抑えています。いまではほとんどの電源がそうですが、黒いケーブルのものを組み合わせることでケーブルが露出した部分についても、極力目立たないよう配慮し、すっきりとした見た目とエアフローとしています。

  • NEXTGEARの内部。すっきりとした見た目

  • 裏配線スペースもしっかりと確保。上部のケーブルは前述したフロントのHDMI用

NEXTGEAR-MICROは、NEXTGEARほど裏面配線のスペースがないため、HDMIケーブルについては天板部にスペースを設けて前面から背面へ取り回しています。

  • NEXTGEAR-MICROの内部スペース

  • ケーブルを目立たなくするシールド

――ケース本体の強度についてはいかがでしょうか

安田氏:ケースのメイン素材はスチールで、十分な剛性を設けています。加えてグラフィックスカードホルダーが拡張カードを支えて、この部分の故障を予防しています。

ミドルレンジ以下のグラフィックスカードはそこまで重量もなく、普段の使用においては問題ありませんが、出荷時の搬送もありますので、新しいNEXTGEAR-MICRO・NEXTGEARのグラフィックスカード搭載モデルすべてにホルダーを装着しています。

  • グラフィックスカードを支えるホルダーを装備

グラフィックスカードを挿している時点で、スロットには間違いなく負荷が生じていますので、グラフィックスホルダーがあることは、お客様にとっても安心材料と言えるのではないでしょうか。

――電源をケース上部に置くレイアウトはややレガシーな印象ですがその理由はいかがでしょうか

安田氏:今回、底面吸気を採用し、それもあって電源を上部にレイアウトしています。合わせて通常、底面付近に置かれるストレージベイも上部またはマザーボードスペースの裏など、エアフローを阻害しない場所へと変更しています。これによりストレージの冷却もうまくいっています。

  • 電源は上部レイアウトに

  • ストレージベイも上部や

  • マザーボードベースの裏に配置してエアフローを確保

底面の吸気口では、そのすべて覆うサイズのマグネットフィルタを装着しています。これは従来のNEXTGEAR-MICROのメンテナンス性のよさを受け継いだところと言えます。インシュレータも同じものを採用しつつ、BTOではより強度の高いアルミ製インシュレータもご用意いたしました。

  • マグネットフィルタで手入れもしやすい

  • インシュレータなど従来ケースのよい点も受け継ぐ

――冷却ファンとそのレイアウトについてはいかがでしょうか

安田氏:クリアサイドパネルのSPモデルでは、LED搭載ファンを、通常モデルはメーカー刻印のないファンを採用しています。弊社では動作音に基準を設けておりまして、どちらのファンも回転時に耳障りな音を出さない製品を採用しています。

両モデルとも通常モデルは背面排気ですが、LEDファン標準搭載モデルは右背面と側面にある通気口より排気する設計となっています。どちらのモデルもケース内を負圧することで、底面吸気からエアフローを吸い上げています。

――そのほかに内部設計でこだわったところはありますか

安田氏:NEXTGEAR-MICROでは、240mmサイズのラジエータを搭載したかったということもありまして、従来のラインナップになかったW水冷モデルも可能な設計にしました。現在のラインナップにはまだ追加しておりませんが、将来の製品化にご期待ください。

順次新ケースに切り替わっていくラインナップ

――新型ケースを採用するモデルのラインナップについて教えてください

安田氏:現在、NEXTGEARの一部モデル、NEXTGEAR-MICROのIntel CPU搭載モデルに新ケースが採用されています。ベースモデルの価格は、NEXTGEARが99,800円から、NEXTGEAR-MICROが79,800円からと、基本的に従来モデルと価格帯はほとんど変わりません。

  • NEXTGEAR-MICROのラインナップ。エントリー構成で79,800円からと手ごろな価格

CPUやグラフィックスカードの構成などでBronze、Silver、Gold、Platinumとグレードが分かれており、さらにそれぞれがBTOカスタマイズできます。ミドルレンジからハイエンドまで、予算と求めるパフォーマンス双方、幅広いニーズに対応することができます。

  • こちらはNEXTGEARのラインナップ。Z370モデルで99,800円から

現時点ではまだ旧デザインモデルも併売されていますが、早くも受注ベースでは新ケースのほうが人気になっております。今後、AMDモデルを含め順次更新しすべてのラインナップを新ケースで統一していく予定です。

――最後に、ユーザーに向けて一言いただけますか

安田氏:久しぶりにケースを新しくしましたが、今後もお客様が何を求めているのか敏感に受け止めつつ、何が望まれているか考えて製品を展開していきたいと思います。

――ありがとうございました