「ハイボールのおいしい作り方」を実践していただきました!
佐々木:今回は世界一売れているバーボンの「ジムビーム」を使ってハイボールを作ります。まず、グラスをどうやって冷やすのかですが、グラスを家庭用の冷蔵庫に入れて冷やすと、肉や魚の香りがついてしまう可能性があるのでオススメしません。そこでまずグラスに氷を入れてかき混ぜます。
――グラスは冷えましたが、氷が溶けて少し水がたまってきました。
佐々木:グラスが冷えたら、この水分は捨ててくださいね。そして、ウイスキーを注ぎます。入れる量はお好みで調整してください。
次にソーダ水を注ぐのですが、すぐに入れるのはおすすめしません。なぜなら今、ウイスキーが中途半端な温度になっているからです。ここに冷たいソーダ水を入れるとウイスキーの出す熱でソーダが希釈されてしまいます。そこで、ソーダ水を入れる前にもう一度、ウイスキーが入った状態で混ぜます。
――なるほど! ウイスキーの温度を下げるのですね。
佐々木:これでウイスキーが冷えた状態になりました。氷が少なくなったので、もう一度氷を足します。
そしてソーダ水を注ぎます。この時、氷にソーダ水が当たると泡が飛んでしまうので、なるべく氷に当てないように入れます。
ぐるぐるとかき混ぜてしまいがちですが、アルコールは比重が軽いので、そんなに混ぜなくても勝手にソーダ水と混ざってくれます。ですので、マドラーは一度だけ入れて引き抜くので十分です。
最後にレモンを入れて完成です。厳密にはレモンの入れ方にも作法がありますが、気にしなくて大丈夫です。
この作り方のポイントは、グラス、氷、ウイスキー、ソーダ水の温度をなるべく近づけること。同じくらいの温度で作ると、時間をかけてゆっくり飲んでも炭酸が抜けにくく、楽しめます。どうぞ、飲んでみてください。
――いただきます! ……うわ! たしかにそれぞれの温度が近いからか、味、香り、炭酸の強さなどにまとまりがあります。それに炭酸もずっと残っているし、氷もなかなか溶けない。適当に作るのとぜんぜん違いますね、おいしい!
佐々木:家飲みでわいわいやっているときは難しいかもしれませんが、少し手間をかけられる状況ならぜひ試していただきたいですね。
――ありがとうございました。
知れば知るほどその奥深さに魅了されるウイスキーの世界。でも、ウイスキーとソーダ水、そして氷があれば自宅でもおいしいハイボールが作れるように、意外と気軽に楽しめるものだということがわかった。
暑い日が続く今日この頃だが、仕事で疲れた体に冷たいウイスキーのご褒美をあげてみてはいかがだろうか。
プロフィール:佐々木 太一(ささき たいち)
1971年生まれ。1994年4月サントリーサンバーズ入部。Vリーグ・全日本で活躍し、2005年に引退。現在は、サントリースピリッツ(株)ウィスキー部スペシャリストとして蒸溜所のPRやセミナー関連統括を行う。サントリースピリッツ(株)認定「ウィスキーアンバサダー」、ウイスキー文化研究所「マスターオブウィスキー」に日本で初めて認定された。