動体に対してもスムーズに作動するAFや、ズームをしても全長が変化しないインナーフォーカス方式、適度なトルク感のあるマニュアルフォーカス操作などはこれまで通りで、きわめて快適に扱えます。
トータルとしては、ズーム全域で高画質な描写が得られることや、F4の適度な開放値、良好な使い勝手、携帯性のよさを兼ね備えた製品といえます。ポートレートはもちろん、スナップや風景、スポーツ、静物などの用途にも活躍してくれるでしょう。
不満は、希望小売価格が既存レンズの税別158,000円から新レンズでは税別185,000円へと高くなったこと。同じタイミングで発表となった大口径モデル「EF70-200mm F2.8L IS III USM」(希望小売価格は税別300,000円)に比べると、開放値が控えめな分だけ求めやすくなっていますが、それでもおいそれと購入や買い替えをするのは厳しいかもしれません。
だからこそ、憧れのレンズなのでしょう。まったく手が届かないほどの高嶺の花ではなく、少し頑張れば手が届くくらいの憧れの存在。EF70-200mm F4L IS II USMは、そんな絶妙な立ち位置のレンズといえそうです。