さらに進むと影が! なんと閉め切った空間で掃除をしています。しかも掃除をしてはゴミを撒き、それをキレイにしたらまた別のゴミを吸っています。
「彼は、ダストカップの取り外しやノズルの交換時など、人が動かしたときに使いやすいかどうかを感覚的に確認しています」と、パナソニックの担当者。
なるほど。ボタンの押しやすさ、パーツの着脱のしやすさなどは、ロボットがテストするには難しいところです。床面の違いによる性能テストはロボット、感覚的なテストは人間というように、分担しているわけですね。
掃除をするゴミの量は、なんと8年分!
掃除機の標準的な耐用年数に相当するゴミを、実際にそうじしてチェックしているそうです。
続いて場所を変え、ひたすらヘッドを動かして耐久性を調べる部屋を見学。
普通に生活できそうな家が建っていた
さらに工場の敷地内を進むと、2階建て住宅が目の前に現れました。
この住宅は、一般的な生活環境を再現して掃除機をテストする場所です。家具を配置して、じゅうたんなどファブリック類も整えて、製品を使い倒します。家具の隙間、部屋の間の段差など、リアルな住宅で使い、ユーザー視点で製品をチェックしています。
日本の生活、家屋で使いやすい掃除機へのこだわり
八日市工場を見学して、パナソニックは日本人の生活様式や住宅事情を細かく研究し、製品開発に生かしていることを実感しました。掃除機は、使う人が手にとって動かす家電です。そのため、ちょっとしたことが不満として気が付きやすいともいえます。だからこそ、世の中に発売する前に、人とロボットと両方の視点をうまく合わせた製品検査が必要なんですね。