通算5代目に進化したSUBARU(スバル)のSUV「フォレスター」。見た目はあまり代わり映えしないという声もあるが、ひと足先にテストコースで乗ると、パワートレインから安全装備までいろいろな部分が進化していた。商品企画担当者の声を交えて紹介していこう。
ライバルひしめく日本市場
今年6月に第5世代となる新型が発表されたスバルのSUV「フォレスター」。米国では昨年、モデル末期にもかかわらず17.7万台を売っているヒット車種になっている。そのためだろう、新型の世界初公開の場は米国ニューヨークのモーターショーだった。
一方の日本では、同じクラスのSUVとして、一昨年はトヨタ自動車「C-HR」、今年は三菱自動車工業「エクリプス クロス」が登場し、今後もホンダ「CR-V」が復活するなど、激戦のマーケットになりつつある。
デザイナーは大変だった?
そんな中でフォレスターはどう攻めるのか。商品企画本部で新型のプロジェクトシニアマネージャーを務めた只木克郎氏に話を聞いた。まず、旧型とあまり変わっていないという声もある、パッケージングやスタイリングからだ。
「フォレスターは3代目でSUVらしさを強調し、4代目でグローバルで通用するサイズにしました。いずれも満足しているお客様が多かったので、大きく変える必要はないと思いました。なので、デザイナーは苦しんだかもしれません。スバルにとっては視界も外せないポイントなので、見た目重視で窓を強く傾けたりすることもできませんので」(以下、発言は只木氏)
その中で、前後フェンダーの厚みを出し、エンジンフードは車両感覚が掴みやすいよう両端を持ち上げた。サイドウィンドウを囲むようなキャラクターラインも特徴だ。ボディとキャビンを分けることで、フェンダーラインが強調できたのではないかと只木氏は語っていた。前後とも「コ」の字型に光るランプは、リアについては足回りとキャビンをしっかり見せるべく、高い位置に掲げたという。
インテリアはゆったり乗ってもらうことを心がけ、ソフトな形と素材にこだわったとのこと。ドアトリムの上、センターコンソール両脇までをソフトな素材で覆っている。着飾るのではなく包まれ感を意識した。センターコンソールを高くして、骨格を感じさせるとともに包まれ感を表現した点もポイントだ。