▼和やかさも締まりもある、アフレコ現場

――アフレコは半分ほどまで進んだとお聞きしたのですが、キャラクター同士だけでなく現場での距離感も近くなっていっている?

芹澤 でも、さっきも言ったんですけどすいちゅうさん(水中)、超マジメに台本読んでるんですよ!

水中 いやいや、僕は和気あいあいとしてるメンバーだと思いますよ?

和氣 あはは(笑)。してはいるんですけど、ね?

水中 ……なんかすいません(笑)!

芹澤 でも女子たちは、キャッキャしてるよね?

和氣 うん。だから、なんか面白いことやったらいいんじゃないですか?

芹澤 新提案(笑)。

水中 あはは(笑)。無茶ぶりがすごい!

和氣 福山雅治さんのマネとか、そういうのを……。

水中 ……いや、絶対スベりますって!

芹澤 でもどうやら、アフレコ後の飲み会では結構はっちゃけてるらしいんですよ! 私たちはラジオの収録とかで行けてないんで、噂だけは聞きますけど。毎週、原作者のむらさき(ゆきや)先生がいらしてくれるので、編集の方とむらさき先生と、親密な関係に……。

水中 "意味深"にね(笑)。でも僕も話しかけてますよ?ちょっとは。

和氣 ちょっとは(笑)。

――おそらくそれは、あまりまわりに届いていなさそうな……。

水中 ですよね。たしかに台本は読んでるんですけど、そんなにずっとやってるつもりはないんだけどなぁ……?

和氣 私、唯一「あ、話しかけられた」と思ったのは「ここのイントネーションは……」っていうね?

――芝居の話ですね。

芹澤 マジメだなぁ(笑)。

水中 いや、ほんとごめんなさい!結構録ってるっていうのに、これはないですよね。

――それと、追加キャストの方々の顔ぶれもすごいですね。エミール役に置鮎龍太郎さん、キイラ役に石田彰さん、ガルフォード役に大塚明夫さん。

芹澤 それもあって、毎週緊張もするよね。

和氣 うん。ビシッとしなきゃって思っちゃいますよね。

芹澤 でも皆さん怖いというわけじゃなくて、皆さんフレンドリーで話しかけてくださるんですけど……。

水中 勝手に恐縮しちゃいますよね。

――だからこそ、お芝居を観ていて勉強になるところも?

水中 もちろんです。僕は特に追加キャストで発表された方と絡むシーンばっかりなので、家で「これどうしよう?」って台本を読んで。でも結局は、「必死にやるしかないな」っていう感じですね。あとは役として、どれだけ踏み込めるか? っていうところだと思うので。もう、"リアル魔王ロープレ"だと思ってます。

和氣 そういう部分だと、私はキイラですね。イメージしていたキイラはすごくお金持ちのお坊ちゃんでしっかりしていて、でも狂うときは狂う……っていうものだったんですけど、でも石田さんのお芝居を実際に拝見すると、ていねいにやるというよりも崩しながら汚いところも出していく、という感じだったんですよ。それを目の前で聞いて、「わっ、すごい!」と思って。もう憎らしくなるぐらい、キイラのことが気になって気になって仕方がなくなっちゃいました。

芹澤 私も、お兄ちゃんなので絡むのは基本石田さんが多いんですけど、すごいなって思います。シェラも種類は違えど悲鳴みたいな叫びが多いんですけど、キーラが発狂するようなシーンでの迫力が、やっぱり段違いで。怯えてるときの悲鳴って、自分の中ではもっともっと追求できるなっていつも思うんですけど、石田さんの"実際にそこにいるように感じる悲鳴"を聞いて、改めて「すごいな」って感じました。

▼OP歌唱における、ふたりの試行錯誤とは?

――さて、芹澤さんと和氣さんは"SUMMONERS 2+(サモナーズ ツ―)"のメインボーカルとしてOPテーマも歌われていますが、曲を聴かれたときは最初どのように感じましたか?

和氣 私、冒険系のかっこいい曲なのか、私たちが歌うのでかわいい系のどっちが来るんだろう? って思ってたんですけど、すんごいかっこいい曲をいただいて。歌い分けも多くて……「レムで歌うのは難しいなぁ」と思ったんですけど、私がレコーディングする前にシェラの歌が入っていて一緒に歌えたので、すごく歌いやすかったです。

芹澤 私、ゲームのOPみたいな感じだなって思いました。作品の舞台自体、「クロスレヴェリ」の世界観のままの異世界なので。音もバンドサウンドのかっこよさと言うよりも、デジタル系の音が結構多めで、すごくピッタリだなと思ったんです。でも私の中ではシェラは、歌がうまいというよりもちょっと音が外れちゃう子かな? ぐらいのイメージだったんですよ。だからどこまで音のかっこよさに合わせるのか、それともザ・キャラソンみたいに歌うのか……と考えていたんですけど、アニメのスタッフさんも立ち会ってくださったおかげで、ちょうどいいところを取れたと思います。

和氣 私自身も歌がそんなに得意でもないのもあって、私からしたら難しい曲でした。だから、練習するときは自分の歌いやすい感じでいたんですよ。でもレコーディングでは「キャラクターを大事にして」と言われて、本当に1行歌ったら「これはレムちゃんの声かな?」っていう感じで一緒に音響さんと考えて、歌でもていねいにキャラクター作りをしていったんです。今までもアニメの曲とかはたくさん歌わせていただいていたんですけど、こんなにキャラクター重視で一緒に考えていくのは初めてだったので、シェラとレムっぽいキャラクター性の乗った曲ができたんじゃないかな、って思いました。

――そんなOPを聴かれて、水中さんいかがですか?

水中 純粋に「すげぇなぁ……」と思いました。キャラクターであそこまで歌えるっていうのが、すごいですよね。僕、キャラクターソングの経験というか歌をそもそもやったことがないので、「こういうお仕事もあるんだなぁ……」って思いましたし。それにOPもEDも世界観にピッタリなので、単純に尊敬しました。

和氣 うれしいです!でもそんなディアヴロも、いつか歌うかもしれないですよね?

水中 いやいや、もう合いの手で……(笑)。「エクスプロージョン!」って。

芹澤 間に技入れてくるんだ(笑)。

――その場合、ディアヴロか拓真か、どっちで歌うんでしょうね?

和氣 あー……両方聴きたいです!

芹澤 わかる。どっちも好き。

水中 ……ハモります?

――また難しい道を(笑)。

水中 いやいや、できないとは思いますけど(笑)