7010シリーズに限らず、FUNAIがラインアップ全体において他社競合製品との差別化点として注力しているのが、多彩な録画・再生機能を標準搭載していることだ。
特に、最上位の7010シリーズでは、国内メーカーの有機ELテレビとしては初めてとなる1TBのハードディスクを内蔵。地上デジタル放送の番組を最大128時間録画できる。地上デジタルだけでなく、BSデジタル、110度CSデジタルの3チューナーを搭載しているので、視聴中の番組とは別に2つの番組を同時に録画できる。
番組のジャンルや出演者など、好みの項目を選んでおくと、該当する番組を自動的に検索して録画予約する「おまかせ録画」や、録画した番組を自動的に分類して見やすく表示する「おすすめ再生」、0.8倍速や1.3倍速、1.6倍速で再生できる「音声付き早見再生/ゆっくり再生」などの機能も搭載。スカパー!プレミアムサービスLinkにも対応しており、チューナーと接続するだけで、スカパー!プレミアムサービスの番組も録画できる。
リモコンには、4つのネットアプリにダイレクトにアクセスするボタンを用意し、4K動画サービスを迷わず利用できる。
「安い」が魅力のヤマダ電機がフラグシップにも妥協しない理由
ヤマダ電機では、昨年のFUNAIテレビの取り扱い開始以来、全店舗にFUNAI製品を熟知した「フナイマイスター」を配置。来店客一人ひとりとの会話を積み重ね、販売活動を続けてきた。その結果、テレビ市場におけるシェアは、当初目指していた5%を上回る約7%まで伸長。2020年までにシェア20%獲得という長期目標を実現すべく、2018年はシェア15%を目指すという。
同社では、2018年のテレビ市場全体の販売数量を約500万台と予測している。シェア15%ということは、約75万台の販売を意味する。
ヤマダ電機の山田 昇 代表取締役会長 兼 取締役会議長は、昨年亡くなった船井電機の創業者、船井哲良氏と「100万台を目指そうよ」と語り合ったとエピソードを披露。「大風呂敷に見えるかもしれないが、商品を見てもらえば納得できるのではないか。価格競争力も追求して、業界ナンバー1の価格を提示したい」と述べた。
全国のフナイマイスターが顧客からすくい上げた現場の意見や要望も取り入れ、今回はハイスペックの4K有機EL、ハイグレードな4K HDR液晶、シンプルなハイビジョン液晶と、ラインアップの幅を広げたという。
山田会長は「この業界には“松竹梅”という考え方がある。安価な製品をたくさん用意しても、魅力的なフラグシップがラインアップにないと、安価な製品も思うようには売れない」と指摘。企業戦略としての価格訴求力と販売台数は重視しつつも、フラグシップモデルの品質にはこだわったことを示した。