コントローラのトレンド
このように、SSD製品を見渡すと、展示が盛り上がっていた印象は薄い。一方で、SSD Allianceとして、SSDコントローラチップを開発・製造するメーカーが共同ブースを出展していたので覗いてみた。
出展していたのはPhisonとMaxio。まずPhisonから見ると、「PS5012-E12」と「E12C」、「PS5008 E8」と「E8T」コントローラチップを展示していた。E12はPCI Express 3.0 x4接続NVMe対応のハイエンド向けモデル。3D TLC/QLC NANDをサポートし、DDR3L/DDR4キャッシュメモリに対応する。
E12とE12Cの違いはチャンネル数とCE数にある。E12側がより上位であり、8チャンネル32CEで最大8TBまでサポート、E12Cは4チャンネル16CEで最大2TBまでサポートする。転送速度でも、E12がリード最大3.2GB/s、ライト最大3GB/sであるのに対し、E12Cはリード/ライト最大1.7GB/sにとどまる。フォームファクタはM.2 2280/22110、U.2、HHHL(AIC)をそろえる。
E8、E8Tはメインストリーム~エントリー向けとされ、PCI Express 3.0 x2となる。NVMeはサポートされ、NANDは3D TLCまで、E8はDDR3Lキャッシュに対応するが、E8Tはキャッシュレスで「HMB」と呼ぶユーティリティを導入することでメインメモリをキャッシュ代わりとすることができる。
そのほかにPhisonでは「PS8229」と呼ぶSD/micro SDコントローラを展示していた。PS8229では3D QLCに対応し、最大1TBをうたう。また、「PS8131」はサーベイランス向けのSD/micro SDコントローラで、東芝BiCS3 TLC NANDとの組み合わせで長期間の書き換えを行なっても安定した転送速度を維持できるとアピールしていた。
デスクトップPCではあまりSD/micro SDカードが活躍するシーンはないが、モバイルノートPCではサブストレージとしてmicro SDを活用するほかないレイアウトが増えているので、こうしたSD/micro SD用コントローラも今後注目される。
Maxioでは、「MAP0901」、「MAP0902」コントローラチップを展示していた。ともにPCI Express 3.0 x4接続、NVMe 1.3をサポートしており、MAP0901側がハイエンド、MAP0902側がメインストリーム~エントリーセグメントをカバーする。その違いはキャッシュにあり、MAP0901はDDR3/DDR3L/DDR4/DDR4Lと幅広くサポートするが、MAP0902はキャッシュレスとなる。また、ともに3D QLCを含む2D/3D NANDをサポートするが、MAP0901は最大4TB、MAP0902は最大2TBになる。