「鍋屋が作った炊飯器」として、鋳物鍋メーカーの愛知ドビーから2016年12月に発売された「バーミキュラ ライスポット」(以下ライスポット)。それからわずか1年あまりで、要望の多かった小型版「バーミキュラ ライスポットミニ」(以下ライスポットミニ)が登場しました。「機能はそのままにサイズだけが小さくなりました」というメーカーのキャッチコピーどおりに、ご飯やお料理のおいしさ、そして使い勝手は維持されているのかが気になっている人も多いのではないでしょうか。今回は待望のミニサイズのライスポットをお借りして試してみました。
そもそも「バーミキュラ ライスポット」って?
ライスポット、およびライスポットミニは、IH調理器具である、釜のような形をした「ポットヒーター」内部に、鋳物ホーロー鍋の「バーミキュラ」をセットして使用します。炊飯モードのほか、無水調理、発光調理、ロースト、炒め調理、スチームなど、数多の調理モードを備えています。
まずはライスポットミニのスペックのご紹介から。鍋部分の容量は、ライスポットの3.7Lから2.1Lに、直径は23cmから19cmへと小型化しました。数字だけ見る限りふた周りほど小さくなった程度ですが、実物は数字以上に「小さい!」という印象で、まさに卓上サイズ。キッチンカウンターはもちろん、棚の上、ダイニングテーブルなど、どこに置いても邪魔に感じない大きさで、その絶妙なサイズ感に脱帽です。
ライスポットは、ほかにはない洗練されたデザインや、炊いたご飯も作った料理も抜群においしいと評判でしたが、保管場所に困るサイズ感が理由で購入を見合わせていた人にはまさに望ましい製品だと思います。
炊飯器としては3合炊き用となるライスポットミニですが、1人暮らしや少人数世帯にはちょうどいい容量。1回の食事で消費するご飯の量が3合未満の家族であれば、炊飯器としても十分賄えるでしょう。
レギュラーサイズと同様に、炊飯コースは白米と玄米の2種類。それぞれ「ふつう」モードと「おこげ」モードが用意されており、白米には「おかゆ」モードもあります。炊飯量は1合から3合まで0.5合単位で設定可能。銘柄指定による炊き分け機能はないものの、水分量を調整することでお米をおいしく炊き上げられます。
筆者は最初、付属の計量カップどおり分量に合わせて水をセットしていたのですが、何度も使い込むうちに水加減ひとつでよりおいしく炊けることが次第にわかってきました。筆者宅でふだん食しているお米は「ハツシモ」という岐阜県産の銘柄。計量カップどおりだとベチャっとした炊き上がりで、ライスポットミニを使って間もないころは「冷めたご飯はおいしいけれど、炊きたては周りが言うほどおいしくない」というのが正直な感想でした。ところが、水加減を少し控えめにしてみたところ、炊きたてのおいしさが抜群にアップ。ライスポットミニの使い始めは、お米の銘柄や保存状態などに合わせて、ベストな水加減を模索する必要があるようです。
ライスポットやライスポットミニが一般的な炊飯器と異なる点は、「ポットヒーター」と呼ばれるIHヒーター部分が調理モードを備えている点。ライスポットに付属する鍋であるバーミキュラは、炊飯に特化して設計されているものの、通常の無水鍋としてガスコンロの直火で使用することも可能です。もちろん、ポットヒーターと合わせて使用すれば、ポットヒーターがセンサーで温度を検知しながら、自動で火力を調節してくれるため、手をかけずに最適な火加減で調理してくれます。鍋を焦がしやすく火加減が難しいとされる無水調理も自動制御によって、初心者でもおいしい料理が作れますよ。