近年、食の定番になってきたのが「肉寿司」。魚の代わりに肉をネタに使い、生で食べることが認可されている馬肉も寿司で堪能することができるとあって、肉好きにはたまらないグルメだ。でも、じつはまだ経験したことがない、なんていう人もいるのでは? そこで、今回は新規オープンしたばかりの「中野 肉寿司」でたっぷりその醍醐味をレポート!
質の良い馬肉を安くで提供
「中野 肉寿司」は中野駅北口を出てサンモール商店街を歩き、中野ブロードウェイに突き当たったところで右に曲がるとすぐ。都内のみならず地方にも出店している元祖・肉寿司として、ここ中野が40店舗目となる。
最初の店舗は2010年に恵比寿にオープン。徐々に肉寿司の人気が上がり、ここ3年ほどで店舗も増えてきたとのこと。そういえば、そもそも「肉寿司」という文化は日本に昔からあったものなのだろうか?お店の方に伺うと、「文化としては、桜肉のお肉はあったんですけど、馬肉の消費量自体主流でなかったので、そこを啓蒙活動として広めていこうと発信しているんです」。ということで、質の良い馬肉を安く提供しているのがこちらのお店の売り。
こだわりがハンパじゃない『馬肉料理』
2012年に設立された「日本馬肉協会」に携わったメーカーから仕入れているという馬肉を、まずは“馬刺し入門編”と銘打たれた赤身刺し「桜」(税込820円)と「馬三種盛り(赤身、極上赤身、えんがわ)」(税込み690円) でさっそくいただいてみた。
赤身刺しは淡白でとてもあっさりしており、飲み物ではないが『スルッとのど越しが良い』感じで、寿司にしてもいくらでも食べてしまえそう。極上赤身はもう少し脂がのった感じだ。えんがわは馬のたてがみの下についている背脂で、ちょっとしつこいのかな、と思いきや、全然そんなことはなく上品な甘みを感じる逸品だった。
どれも臭みは一切なし。これも独自の仕入れ先からの新鮮な馬肉だからこそ。ちなみに、馬肉といえば、熊本や会津、長野などが産地としては有名だが、肉寿司では青森産の馬肉も使っている。青森産の馬肉はあまり知られていないが、じつは会津・熊本に次ぐ馬肉の産地。南部地方にも牧場が多く、町名の「戸(五戸、七戸など)」の起源とも言われており、昔から国産馬肉を飼育していたとのこと。更なる馬肉の旨味やコクを求め、出会ったのが青森馬肉だそう。こんなところも啓蒙しているのだ。う~ん、こだわりがすごい!
また、単にシャリに馬肉を乗せただけではなく、馬肉に合うシャリを肉寿司で開発しているという。ただの水でごはんを炊くのではなく、昆布出汁で炊くことで米に旨味を吸わせているのだとか。寿司酢も3種の酢を独自ブレンドしたものを使っているというからそのこだわりは肉だけにあらず。