日立製作所は、2018年6月8日、アナリストや報道関係者を対象にした事業戦略説明会「Hitachi IR Day 2018」を開催した。
そのなかで、日立製作所 システム&サービス事業 執行役副社長 システム&サービスビジネス統括責任者兼社会イノベーション事業統括責任者の塩塚啓一氏は、システム&サービス事業、ヘルスケアビジネスユニット、ディフェンスビジネスユニットの合計の分野において、「トリプルスリー作戦」を打ち出し、2021年度には、売上収益で3兆円、IoTプラットフォームLumadaコアによるデジタルソリューションが占める売上収益比率を30%、営業利益で3000億円超を目指す方針を明かにした。
「現時点では、これは、私自身の腹づもりであり、次期中期経営計画に反映するものになる」と位置づけながらも、「Lumadaを中核としたデジタルセントリックな事業体を確立し、デジタルの力を最大化。日立全体の社会イノベーション事業を牽引していく役割を担う」などとした。
また、システム&サービス事業部門として、「我々がグローバルトップクラスと定義している調整後営業利益率10%超、年平均成長率5%超であり、これを、2021年度までに達成する。なんとしてでもこのボジションにたどり着きたい」とし、「これまでは営業利益率の向上にこだわり、その成果はあがってきている。だが、世界に目を向けると、利益率および成長率はまだ十分とはいえない。2021年度までに、グローバルトップクラスのシステムベンダーになるためには、現在の収益性を維持、向上させるだけでなく、売上収益を伸ばす必要がある。とくに海外の売上収益を伸ばす必要がある。2021年度には、海外売上収益を1兆円規模に高めたい」とした。現在、海外売上収益は、システム&サービス事業の売上収益2兆円のうち、約2~3割を占めているという。
さらに、海外事業においては、アジアを中心に、1万人規模での人員増強を計画していることを明らかにした。北米およびアジアでの成長を軸にした成長戦略を描くという。
「重要なのは海外におけるデリバリー力。いまはデリバリー力が十分ではない。北米においては、今後、市場成長が見込まれ、事業機会が拡大する。また、アジアでは、日系企業のアジア拠点向けなどで国内事業の強みを活用できる。付加価値が高いソリューションを届けるためには、買収や資本提携によって新たなリソースを獲得し、自社のOTおよびITのノウハウをかけあわせて、シナジーを発揮することを目指す。ここでは、大きな投資も辞さないという覚悟でプランニングをしている」などとした。