最後になりますが、スマートスピーカーに関連して5月にもっとも話題になったのは、ポートランドに住む夫妻が所有するAmazon Echoが家庭内のプライベートな会話を録音し、それを連絡先に載っている知人に送信したという、にわかには信じ難いニュースです。
スマートスピーカーは会話データをクラウドに保存していますが、それはあくまでも聞き取り精度の向上などを目的としたもので、それらのデータを削除する方法も提供されています。ところが今回の一件では、会話を録音したファイルが当人たちが知らないうちに、夫の仕事上の知人に送信されてしまったとのこと。知らせを受けた夫婦はすぐに家庭内のAmazon Echoを取り外し、Amazonに通報を行ったそうです。
調査を行ったAmazonの報告によると、夫婦の会話の中にメッセージの送信を示唆するような内容があり、さらにAmazon Echoが誰に送るかを聞き返したところ、不幸にも夫婦の会話の中に連絡先リスト内の知人に似た名前があったことから、送信を実行した疑いが濃厚とのこと。同社は極めて稀なケースとしながらも夫婦に謝罪し、再発防止の準備をしているとのことです。
まだ音声メッセージ機能が解禁されてない日本と違い、米国などではスマートスピーカーが生活の隅々にまで入り込んで機能を搭載しており、どこまでサービス提供側を信頼して機能をオンにするかは、難しい問題になりつつあります。このAmazon EchoのアクションについてはAlexa側にもきちんとログが残っていたとのことで、送信の痕跡を隠すといった意図はさすがになかったようですが、同種の問題はいつ再発しないとも限らないだけに、利用者の側も敏感になっておく必要はありそうです。