北海道・小樽のグルメといえば、海の幸を連想しがち。地方出張に行ったらまずはお寿司に刺身、と相場が決まっているサラリーマンも多いのでは。だがしかし。東京在住者にはまだあまり知られていないソウルフードがあるのをご存じだろうか? それが今回取材した「なるとキッチン渋谷店」(東京都渋谷区)の看板メニュー「若鶏半身揚げ」。ビールがめちゃめちゃ飲みたくなるグルメなのだ。
道民が愛してやまない北海道グルメが味わえる
「なるとキッチン」は、小樽で昭和55年に創業した若鶏半身揚げの大衆食堂「小樽ニューなると」の新ブランドとして、若鶏半身揚げと濃い目の味付けで揚げたザンギを、お酒と一緒に楽しめる大衆居酒屋として、2017年1月に札幌すすきのにオープン。続いて同年5月に道外初出店となる東京・五反田店がオープン。道外の2店舗目として5月12日にオープンしたのが「なるとキッチン渋谷店」だ。
北海道出身の人で知らない者はいないという若鶏半身揚げ。とくに小樽の人にとっては、小さい頃からXmasやお正月といったイベントごとの際には、必ずといっていいほど食べるもので「なるとの若鶏半身揚げ」は昔から愛されているのだとか。東京では北海道物産展やイベントなどでしか食べられなかったそうだが、北海道出身の人、さらに現地でその味を体験した人からすると待望の新店舗オープンだろう。
小樽名物「若鶏半身揚げ」を実食
看板メニューはもちろん、小樽名物「若鶏半身揚げ」(税別920円)。木製のお皿に乗ってテーブルに運ばれてくるとやっぱりインパクト大! 創業以来の秘伝のスパイスで一つひとつ丁寧に下味がつけられており、衣はつけずに200℃の高温で素揚げされている。早速、揚げたてアツアツを食べてみた。
手袋をはめて骨を持ち、手羽先、むね肉、ささみ肉、もも、ぼんじりと、部位をわけて豪快にパクッと食べてみると、まず最初にサクッと軽い食感、皮のパリパリサクサク感、香ばしさが口に飛び込んできた。正直、食べる前はからあげとかフライドチキンに似た感じを想像していたけれども、まったく違った!これは未体験の新しい鶏肉料理っていう気がする。弾力のある肉を噛むとジュワ~ジュワワワ~っと、閉じ込められた肉汁が沁み出してくる。
普段、焼き鳥で食べているような部位が、この一品で全部、しかもボリュームたっぷりに食べられるという満足感が得られるから、これで税別920円は間違いなく安い。お客さんの多くは、半身揚げを頼んであとはひたすらビールをグビグビっとしながら食べ進めるようだ。最近、レモンサワーやハイボールが人気だけど、これだけは間違いなくビールを飲みつつ食べるのが正解。