マツダは現行型になって6年目となる「アテンザ」(セダン/ワゴン)に3度目の商品改良を実施した。近い将来、縦置きエンジン後輪駆動ベースに転換するという噂もあるアテンザ。しかしマツダには、このタイミングで進化させる理由があった。
同期の「CX-5」はモデルチェンジを遂げたが……
マツダ「アテンザ」が商品改良を実施する。このニュースを聞いた時に「なぜ?」という思いを抱いたのも事実である。
現行アテンザは2012年の発表であり、今年で6年目を迎える。日本車のモデルチェンジのサイクルは長くなりつつあるものの、6年というのはロングセラーの部類に入る。しかも、同じ年に発表となった新世代商品の第一弾「CX-5」は、2016年にモデルチェンジを果たしている。同じサイクルで考えればアテンザも、一昨年にモデルチェンジするのが妥当だったということになる。
しかし今回、マツダは商品改良に留めた。この動きは、もうしばらく現行型が現役を務めるという意思表明と見ることもできる。
改良で商品を新鮮に保つマツダ
ちなみにここまで、マイナーチェンジという言葉を使ってこなかったのには理由がある。新世代商品群になって以降、マツダはマイナーチェンジという言葉は使わず「商品改良」という表現で統一しているからだ。2014年のアテンザの商品改良を取材したとき、無意識に「今回のマイナーチェンジは」と切り出したところ、「マイナーチェンジではなく商品改良です!」と指摘されたこともある。
マイナーチェンジは“マイナー”という言葉のイメージから、表面的な手直しと取られることが多い。しかし、マツダの商品改良では、デザインにしてもエンジニアリングにしても、その時点で最新のものをタイムリーに導入する。これにより、常にその車種をフレッシュに保ちつつ、ラインアップ全体に統一感を持たせることができる。
IT業界のアップデートに近いかもしれないが、これがマイナーチェンジという言葉を使わない理由なのである。