四十肩・五十肩以外に関節がこわばる症状が出現するものとしては、リウマチがある。リウマチは「膠原病」と呼ばれ、自己免疫疾患の一つで30代から50代の女性に多発する。主な症状は以下の通りだ。
・関節に炎症が起こる
・動かさなくても激痛が起きる
・関節が左右対称に腫れる
・運動制限が伴う
・軟骨や骨が破壊されて関節が変形する
・進行すると運動機能が障害される
「リウマチは対称性の手指のこわばりが初めの症状。腕や肩が突然痛み、動きにくくなっただけでリウマチを疑うのは早計です。診断は比較的容易で、血液検査でリウマチ因子、抗CCP抗体などを測定することで推定がつきます」
リウマチの発病が疑われる兆候とは
リウマチは起床後30分くらいに強い症状が現れ、この点が四十肩や五十肩との大きな違いとなる。リウマチになると、生活で以下のような特徴がみられるようになる。
・ボタンが外しにくい・かけづらい
・家の鍵がかけづらい
・ハサミがうまく使えない
こういった日常のちょっとした細かな動作が難しくなり、関節が腫れぼったい、あるいは痛いという症状が出たら要注意と覚えておこう。また、リウマチは遺伝する病気の一つであるが、「血縁者が関節リウマチでも、必ず発病するわけではないので過度な心配はしないように」と井上医師は話す。
四十肩・五十肩、そしてリウマチも軽視したり自己判断したりせず、必要であれば検査を受け、適切な処置をすることが大切だと肝に銘じておこう。