通じ合うものがある
――役者としては尊敬し合っているということでしたが、人間性としては、どういうところが合うのだと思いますか?
新田:稀に見る似たタイプなんです。相性が良いのか、思考が一緒なのか、通じ合うものがあると思います。
北村:蠍座のB型、という共通点もある。なかなかいないよ。
新田:特殊なんだよね。
北村:いろいろ話をしていても、やっぱり通ずるものがあると思います。『仰げば尊し』の時からそんな感じでした。ドラマが放送される度に、その回について話していました。
新田:そうやって知っていくにつれて、「あ、似てるのかも知れないな」と。何か通じ合うと思いました。
根本的に誰にも似ていない2人
――北村さんはDISH//のボーカルとして活躍されていますし、新田さんは舞台でも歌声を披露されていて、2人とも歌がすごくお上手ですよね。
北村:そう真剣佑、歌が上手いんですよ。
――2人でカラオケに行ったりすることもあるんですか?
新田:行きます。もうずーっと歌ってるね。
北村:ストイックに、ずっと歌を歌ってます。自分たちの好きな曲を歌ってるだけなんですけど、意外とレベル高めだよね(笑)。
新田:本当に、歌ってるだけ。
北村:カラオケの本来のあり方としては正解だと思いますね。真剣佑は洋楽が多くて、僕は邦楽系。ハナレグミとか……。
新田:DISH//系でしょ?
北村:DISH//は、たまに真剣佑が歌ってます(笑)。
――贅沢なカラオケですね。
北村:じゃあ、先着1名招待しますよ(笑)。
新田:抽選で(笑)。
――それは応募が大変なことに(笑)。プライベートでも仲の良いお二人ですが、今回の『OVER DRIVE』で相手を見て、役と似ていると思ったのはどのようなところでしょうか?
北村:現場で見る真剣佑の姿は、直純でしたね。似てると言うよりも、真剣佑がずっと直純でいた感じ。もともと似ているからなのか、作り込んでいるからなのかというのはわからないですけど、いつも現場で見る真剣佑は、いい意味で真剣佑じゃないと思いますし、車の道を目指したら本当にこんなドライバーになるんじゃないかと思いました。
周りに当たる感じではないですけど、熱さが似ています。直純のラリーにかける思いと、真剣佑の芝居にかける思いが重なっていました。真剣佑って、お芝居中に全然まばたきをしないんですよ。その目の強さも、やっぱりラリーの選手の強さに重なる気がしました。
新田:基本的に、この2人はどの人間にも似てないと思っています。特殊だね、2人とも。
――新海は冷静な面もありましたが、新田さんから見て北村さんに似てるな、と思うことはありましたか?
新田:印象としては、ああいうドライバーになるのかもしれないとは思いました。でも匠海が本当にドライバーになったら、もっと熱くなるのかなとも思います。
北村:彼自身も幼い頃からきっとレースのことしか見てないだろうし、視野はあんまり広くないだろうなとは思いました。
新田:匠海の演じた新海に深みを感じて。「すごい人生を歩んできたんだろうな」というお芝居をしていたので、嬉しかったです。
――作品の中では、ライバル役としてお互いのことをどう考えていましたか?
新田:僕は、安心感しかなかったです。
北村:ライバル役、バチバチする役だからこそ、相手への安心感や友情関係みたいなものがなければ、あそこまで感情をぶつけ合うことは出来なかったと思います。新海にとって、直純は唯一立ちはだかってきった人間だと思いますし、どこかリスペクトもあるんだと思いながら演じていました。マイナスな感情はあまりなく、ドライバーとして意識しあっていたのかな、と。
新田:僕自身、役者・北村匠海を尊敬しているので、多分直純にも反映されていたのではないか、とは思います。言葉にはできないですけど、観た方にも感じていただけていたらいいですね。