半信半疑だった空気清浄の実力

正直いうと、筆者は2015年に初代「Dyson Pure Cool」が登場して以来、空気清浄機能については半信半疑なところがありました。というのも、空気清浄能力を表すスペックの基準を、国内メーカーは8畳を清浄できる時間で示しているのに対して、ダイソンは30分または60分で清浄できる畳数で示しており、比較がしづらいためです。うがった見方をすると、空気清浄スピードが遅いと捉えることもでき、一度に空気を取り込める量が少ないのではないかと懐疑的でした。

そのため、空気清浄機能はあくまでファンの「オマケ」という認識だったのです。ところが今回、アプリや本体ディスプレイを通じてモニタリングをしてみると、キッチンに面したリビングで調理をしたり、窓を開けたり、人が出入りしたりすることで生じる空気状態の変化に応じて、Dyson Pure Coolが反応して空気をキレイにしていく様子を確認することができ、認識を新たにするきっかけになりました。

  • Dyson Pure Cool

    空気状態の変化が折れ線グラフで時系列ごとにわかります。リビングに面しているキッチンで料理をしたり、窓を開けたり、家族が外出先から帰ってきたりしたときに数値が大きく変化する傾向にありました。その都度、Dyson Pure Coolが空気をキレイにしていく様子がグラフで確認できますね

  • Dyson Pure Cool

    「空気質」「PM2.5」「PM10」といった項目の平均値を曜日ごとに棒グラフで確認できます。例えば当日の空気がいつもと比べてキレイかどうかを比較すれば、窓を開ける回数の参考にもなります

スマホアプリには空気のモニタリング機能以外に、本体をリモート操作する機能も備えています。在室時はもちろん、インターネットを通じて外出先からも操作可能です。例えば室内の温度と湿度が高温多湿な状態になったときは、遠隔操作で風量を上げ、首振り機能をオンにすることができます。不在時にも風を循環させれば湿気予防やカビ対策になりますし、有効に活用できますね。

改めて感じたダイソンの「本気」

羽根のない扇風機からスタートし、空気清浄機としても進化を続けるダイソンの空気清浄ファン。1台2役というと中途半端な製品になりがちですが、Dyson Pure Coolはむしろ相乗効果が期待できる製品。「ディフューズドモード」というほかにはない新たな機能を盛り込むなど、他社の空気清浄機と比べても一歩リードし、ダイソンの「本気」を感じる製品です。

直販価格はタワーファンが72,144円(税込)、テーブルファンが59,184円(税込)と、決してお安いとはいえません。ですが空気清浄機を兼ねたサーキュレーター/ファンだと考えると、妥当な線ではないでしょうか。家のスペースの都合で、空気清浄機と扇風機を別々に置けないという部屋のニーズも満たします。今すぐにでも「欲しい!」という気持ちになりました。また、部屋を暖かくする温風機能を備えた1台3役という製品の登場も期待していますね。

  • Dyson Pure Cool

    相変わらず存在感があるACアダプター。筆者の手にはおさまらない大きさです