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「ああ、これが"9係"なんだな」

――撮影現場で、"9係イズム"みたいなものを感じることはありますか?

俳優側から、現場で「ここちょっと変えない?」と監督に提案して話し合って、それが実際に変わっていくことがあるんです。これは皆さんのチームワークがあるからこそできることで、他の現場ではないので、「ああ、これが"9係"なんだな」と思いましたね。

――そこでアイデアを出せるようになれたら、立派なチームの一員ですね。

そうですね。いっちょ前です(笑)

――井ノ原さんと一緒に行動することも多いと思いますが、なにかアドバイスはいただきましたか?

「みんな受け止めてくれるから、自由にやっていいよ」と言ってくれました。

――それを受けて、何か試してみましたか?

本番前のテストで思いついたら、やってみるんです。「僕はお茶派なんで」というセリフがゆとり世代っぽいなと思ってやってみたら、本当にお茶しか飲まないキャラクラーにしていただいて、小道具さんも湯呑を用意してくれました(笑)。他にも、村瀬さん(津田寛治)と僕、小宮山さん(羽田美智子)と僕、青柳さんと僕、矢沢さん(田口浩正)と僕と、それぞれ関係性も違うじゃないですか。そこで何もカードを使わないまま最終話まで行きたくないので、なにか絡めそうだなと思ったら自分から絡んでいく。そうすると、みなさん芝居の中で返してくれるので、「おおっ!」って思いますね。『特捜9』の現場はセッションなんですよ。

――視聴率は4月クールのドラマでトップを独走しています。新加入された山田さんは『特捜9』のメンバーの中でも視聴者に近い存在だと思うのですが、人気の理由はどこにあると思いますか?

やっぱりキャラクターの面白さだと思いますね。ある意味定番の部分も残しつつ、皆さんのキャラクターが波を生んでいく部分があると思うんです。これが12年続くって、やっぱりすごいことですよね。

セット初日最初のシーン「しびれました」

――ところで、Twitterで「家から現場までずっとチャック空いてた。ごめんなさい」と告白されていましたが、これは『特捜9』の現場で気づかれたんですか?

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あぁそうですそうです(笑)。衣装に着替えるとき、チャック空いてるのに自分で気づきました…。

――ご自身で気づかれる前に、誰かに見られていたかもしれないんですね(笑)。ほかに、印象に残っている撮影現場でのエピソードはありますか?

昨日は、津田さんと羽田さんと、空き時間に撮影現場周辺の神社巡りをしましたね。

――ほっこりするチームワークですね。

あと、衝撃的だったのは、セット初日の最初のシーンが、寺尾(聰)さんとのシーンだったんですよ。その前に、寺尾さんといろいろお話させていただいて、「どんなに経歴が長くても新人でも、始まったらヨーイドンだからな。目がイッたほうが勝ちなんだ」とおっしゃってくれたんです。その後にテストだったんですけど、それが寺尾さんとすれ違うシーンで…。直前にあんなこと僕に言う!? って思いました(笑)

――振りだったんですかね(笑)

でも、めっちゃしびれましたね。僕は冷静に考えて役を作って現場に入ろうと思ってたんですけど、寺尾さんに、まだガムシャラでいいんだなと思わせてもらいました。だから、初っ端からチャレンジしていこうと思って、初日から吹越さんに電話取るシーンで「『警視庁捜査一課、今日から来られました新藤亮です』って言ったほうが面白いんじゃない?」って本番直前に言われたんですよ。そのときに、これが言えるのと言えないのじゃ、今後皆さんに見られる目が違うな…と考えて思い切ってやってみたら、一発でうまくいったので、いいスタートが切れました(笑)。ほかにも、2話・3話の吉田(啓一郎)監督には、現場に入って第一声で「おまえ、芝居できんのか?」ってみんなの前で言われて(笑)。ちきしょー!と思いながら、楽しい現場を過ごしています。

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    『特捜9』(テレビ朝日系、毎週水曜21:00~)
    きょう5月16日放送の第6話は、見慣れない一輪の赤い花をくわえた敏腕映画プロデューサー・近藤瑠未(遊井亮子)の刺殺体が発見される。直樹(井ノ原快彦)と新藤(山田裕貴)は、前作の撮影中に近藤がクビにしていた監督・国井康夫(バッファロー吾郎A)を聴取するが、国井はアリバイを主張する。
    (写真左から)山田裕貴、寺尾聰、羽田美智子=テレビ朝日提供

――5月16日には第6話が放送されますが、見どころをお願いします。

井ノ原さんと話し合って作ったシーンが結構あります。掛け合いのシーンもたくさんあるので、"バディ感"みたいなのも意識してるんですけど、自然にそういう風に見えていけたらいいなと思いますね。