次は、超高感度モードでの撮影例です。1枚目は夜の室内で照明をつけて撮影、2枚目は照明を落としてISO 102,400、シャッタースピード1/4秒で撮影したものです。さすがにISO 102,400での撮影では細部が潰れてノイズも目立ちますが、この程度の荒れ具合ですむのはかなり驚異的です。ちなみに、3枚目はMate 10 Proで撮影したものですが、ほとんど何が写っているかわからないほどです。このような極端な暗所でも撮影が可能という点も、大きな魅力と言えるでしょう。
ハイブリッドズームの画質はまずまず良好
続いて、ズームの画質をチェックします。1枚目が1倍、2枚目が3倍、3枚目が5倍、4枚目が10倍での撮影です。
1倍はメインレンズ、3倍は望遠レンズでの撮影ですので、クッキリと撮影できています。また、ハイブリッドズームとなる5倍の写真でも、デジタルズームのような解像度の低下もなく、十分なクオリティと言えます。そしてデジタルズームとなる10倍では、それまでと違ってデジタルズーム特有の解像度の低下が見られますが、それでも看板の文字などもしっかり確認できますので、クオリティは思ったほど悪くありません。
ちなみに、5枚目の写真は、Mate 10 Proで10倍デジタルズームで撮影したものですが、こちらでは看板や電光掲示板の文字、背景の樹木が潰れかけで、解像度が大きく低下していることがわかります。この比較からも、P20 Proでは10倍ズームでも十分実用的な写真が撮影できると言えます。
AIモードはちょっと盛りすぎ? 気になるなら機能オフで
ところで、P20 Proのカメラアプリでは、19のカテゴリー、500以上のシナリオを認識して撮影モードを自動設定するAI機能を搭載しています。ただ、中にはやや色を盛りすぎと感じるようなモードもいくつかあるようです。
今回撮影していて特に気になったのが、「青空」モードです。空が多くを占める構図の場合、青空モードに切り替わることが多いのですが、かなり青が強調されてしまって、やや不自然な色合いとなる場合があるのです。以下がその例ですが、1枚目が青空モードでの撮影、2枚目が青空モードをオフにして撮影したものですが、青空モードではかなり不自然な青空になるだけでなく、その他の部分も青かぶりになっていると感じます。実際の色合いは青空モードを切った2枚目の方が近い印象でした。
この他のモードでも、色合いが極端にビビッドになったり、不自然な色合いになってしまうものがいくつか見られました。このあたりは、今後のアップデートで解消される可能性もありますが、やや色を盛りすぎと感じた場合には、手動でモードを切って撮影した方がいいかもしれません。
夜の動画撮影は苦手。静止画重視の設計に
続いて動画です。2つの動画は、いずれもフルHD/30fpsで手持ちで撮影したものです。1つめは明るい昼に撮影したものですが、ブレも少なく、クリアで鮮明な動画が撮影できています。それに対し、2枚目は夜の公園で撮影したものですが、細部が潰れてしまっていますし、ブレもかなり大きくなっています。静止画のクオリティと比べると雲泥の差と言えます。残念ながら、P20 Proの夜間の動画撮影能力は高くないと言わざるをえないでしょう。そのため、P20 Proのカメラでは、動画よりも静止画を重視した設計になっていると結論づけていいでしょう。
昼間の明るい場所で撮影。手持ちながらブレも少なく、クッキリとした映像が撮影できている |
こちらは夜の公園で撮影。細部が潰れてブレも大きく、クオリティはかなり低い |
最後に、風景やご飯、夜景など、P20 Proで撮影した写真をいくつか掲載しておきます。ぜひ参考にしてみてください。次回は、P20 Proのカメラ構成、仕組みの謎を紐解いていきます。