ファーウェイは3月27日(現地時間)に、フランス・パリで最新フラッグシップスマートフォン「P20」シリーズを発表しました。
標準モデルとなる「P20」と、上位モデルの「P20 Pro」の2モデルをリリース(サイレントでエントリーモデル「P20 lite」も登場)しましたが、中でもP20 Proは、スマートフォンとして初となる、3つのレンズを備えるトリプルレンズカメラの搭載が大きな特徴となっています。国内では、NTTドコモの2018年夏モデルとして16日に発表されました。ここではカメラ機能を中心に、20 Proの全体を徹底解剖していきたいと思います。この前編では、一番気になるカメラ性能をチェックします。
P20 Proは、フラッグシップモデルらしく仕様は非常に充実していますが、Mate 10シリーズと同じSoCを採用していますので、性能的な進化はほとんどありません。そういった中P20 Proには、従来モデルから大きな進化を遂げている部分があります。それはカメラです。
ファーウェイのスマートフォンでは、P9シリーズからLeicaブランドのダブルレンズカメラを搭載しています。現在では、他社のスマートフォンでもダブルレンズカメラの搭載が一気に広がっていますが、そのトレンドを作ったのは、紛れもなくファーウェイのスマートフォンと言っていいでしょう。そして、P20 Proでは、世界初となるトリプルレンズカメラを採用することで、さらなる進化を遂げました。
3倍の望遠撮影が可能、高解像度で拡大しても鮮明
外観やカメラの仕様は次回じっくり紹介していくとして、まずは実際に見るのが一番! ということで、P20 Proの最も大きな特徴である、トリプルレンズカメラで撮影した写真を見ていきましょう。P20 Proのトリプルレンズカメラでは、4,000万画素のRGBセンサーと800万画素のRGBセンサー、2,000万画素のモノクロセンサーという組み合わせとなっています。
まずはじめに、タイルの壁を撮影してレンズの歪みをチェックしてみました。
1枚目はメインレンズで撮影したもの、2枚目が3倍望遠レンズで撮影したものです。いずれも周辺部まで歪みはほとんど気にならないレベルとなっていることがわかります。このことから、歪みを気にせず撮影できると言えます。
次に、解像度を10Mピクセルと40Mピクセルに設定して画質をチェックしてみました。下の1枚目が10Mで撮影、2枚目が40Mで撮影したものです。端末のディスプレイで見るだけでは、画質にほとんど違いは感じられません。しかし、一部を拡大して見てみると、細かな部分の描写にかなりの違いが見られます。通常は10Mでの撮影でも十分な画質が得られると言えますが、画質を追求した撮影をしたいときには、40Mでの撮影が良さそうです。
暗所撮影(静止画)は最強かも。4秒手持ちでもブレない
次は、P20 Proが得意とする夜景を撮影した写真を紹介します。最初は、遊園地のメリーゴーラウンドを撮影したものです。光源が多くあって、比較的明るい環境ではありましたが、光源のある付近だけが明るくなるといったこともなく、背景の夜空にあるジェットコースターの路線(写真中央上部)も含めてクッキリ撮影できています。
2枚目は夜の路地を撮影したものですが、点光源がの多い環境ながら、建物や路面も明るく撮影できていますし、色合いの破綻も見られません。3枚目は、夜の港に停泊する客船を撮影したものです。船の電飾はもちろん、その明かりが水面に反射する様子も含めて、こちらも非常に鮮やかに撮影できています。
暗所の描画が豊かな「夜景モード」も
そして4枚目の写真は、夜景モードでの撮影例です。こちらはシャッタースピードが4秒で手持ちで撮影したものですが、全くブレることなく撮影できています。また、ライトに照らされた樹木はもちろん、直接ライトの当たっていない手前の樹木もしっかり撮影できています。5枚目の写真は、同じ場所から夜景モードをオフにして撮影したものですが、そちらと比べても、手前の樹木や水面への映り込みがよりしっかり描写できていることがよくわかります。画像処理による写真という印象もありますが、夜景写真としての仕上がりは、夜景モードの方が優れると言えるでしょう。
これらの夜景写真は全て手持ちでの撮影です。三脚などを用意することなく、手持ち撮影でこれだけの品質の夜景撮影ができるという点は、P20 Proの大きな魅力となるでしょう。