KDDIは5月14日、2018年夏モデルを発表した。スマートフォンの新製品は、「Xperia XZ2 Premium」「Xperia XZ2」「Galaxy S9」「Galaxy S9+」「AQUOS R2」「HUAWEI P20 lite」の6機種で、昨今のスマートフォンに強く求められるカメラ機能を重視した製品を取りそろえた。
KDDIの調査によると、「スマートフォンで日常的に利用している機能」としてカメラ機能がほかを大きく引き離して1位となっている。いかにいまのスマートフォンに対して「カメラ」が強く求められていることが分かる。
暗い場所に強い「Xperia XZ2 Premium」
それを象徴する機種の1つなのがXperia XZ2 Premiumだ。auとして初めてXperiaのプレミアムモデルを扱うことになる。最大の特徴が、2つのセンサーを搭載したデュアルカメラシステムで、静止画最高ISO51200、動画最高ISO12800での撮影をサポートした高感度撮影機能だ。
スマートフォンでは、夜景に代表されるように暗い場所での撮影が難しいケースが多いが、高感度撮影をいかして明るく写真が撮影できる。
デュアルカメラと独自の画像処理エンジンで高画質化
デュアルカメラは、一方がカラーセンサー、もう一方がモノクロセンサーを採用。カラーセンサーが有効画素数1,929万画素の1/2.3型CMOSセンサー、モノクロセンサーが同1,220万画素の1/2.3型CMOSセンサーで、スマートフォン用としては大型のセンサーとなっている。
カラーセンサーとモノクロセンサーの組み合わせは、ファーウェイの「HUAWEI Pシリーズ」などでも利用されているシステムだが、解像感とダイナミックレンジで有利なモノクロセンサーの画像に対して、カラーセンサーで色づけを行うことで、より高画質な写真を生成できるという。
また、Xperia XZ2 Premium用に開発された独自の画像処理エンジン「AUBE」を搭載しており、リアルタイムのカラー・モノクロセンサーの合成を実現したほか、暗所でのノイズ低減にも威力を発揮しているという。
AUBEは、2つのセンサーをリアルタイム合成して動画を生成することが可能で、撮影時のライブプレビューと動画撮影を担当する。AUBEではISO12800までしか対応しないが、静止画のISO51200は、チップセットのSnapdragon 845に統合するISPで処理する。このあたりの機能はQualcommとソニーが共同で開発したとのことで、それぞれの機能を分担する仕組みのようだ。
静止画の最高ISO感度は、ファーウェイの「HUAWEI P20 Pro」のISO102400より1段分低いが、動画のISO12800は「スマートフォンで世界最高感度」だという。ISO感度が上がると、取り込む光量が増えて暗いシーンでも明るく撮影できるが、ノイズは増えてしまう。
Xperia XZ2 Premiumでは大型センサーや新型エンジンなどを活用することで、低ノイズ化を図っており、ソニーモバイルでは「写ればいい」というレベルではなく、後から見返しても見られるレベルの画質を目指すという。発売が8月中旬以降ということで、ギリギリまで画質の調整を行っていくそうだ。
ほかに4K HDR動画の撮影機能やフルHD・960fpsのスローモーション動画にも対応。4K HDR対応ディスプレイも搭載し、音に合わせて振動する「ダイナミックバイブレーションシステム」といった多彩な機能を搭載する。縦長ディスプレイではなかったり、昨今のスマートフォンとしては重く分厚いという懸念点はあるが、機能としてはハイスペックだ。
なお、デュアルカメラを使って背景ボケを生成する「ボケ」機能は、発売後のアップデートで機能を追加する。