4月も順調な滑り出し
下半期に向けても、計画どおりに出店を進め、7月には業界初の国内500店舗到達を予定している。既存店昨対トレンドは、上期の勢いを維持できる見込みとしている。下期の始まりとなる4月も「赤シャリ」「にく寿司」といったキャンペーンが功を奏し、102.2%と順調な滑り出しとなっている。
さらに、下半期はかねてより計画していた海外出店を現実化していく。台湾1号店を6月にオープン、今期中に3店舗体制を築き上げる計画だ。出店のとまっていた韓国でも8号店、9号店とオープン予定が続く。
なぜスシローは成功しているのか
数多くの施策が成功しているのが、スシローグローバルホールディングスだ。様々なキャンペーンを打ち出し、それが当たっているように見える。一方で、キャンペーンを多数展開しつつも、苦戦を強いられているところもある。その違いは何か。
水留浩一社長が指摘するのは、ひとえに"味"だ。「味と品質を大事にしている。いかに満足してもらえるか、体験価値を高める考え方が次の来店につながっている」(水留社長)。 当たり障りのないコメントにも思えるが、国産天然魚の取扱拡大、原価を多めに使いながら商品力を高める取り組みなど、決算説明資料を見るだけでも、味の追求をうかがわせる。いわば顧客満足度の向上にどう向き合うかが、分かれ目となる。
興味深いのは、客単価が高くなるほうが顧客満足度は高いという結果があるとしていることだ。満足が得られるものにはお金をかけたいというのが現代の消費トレンド。1皿100円を掲げる低価格回転寿司であっても、その論理は変わらない。そこに正面から取り組んでいるのがスシローであり、その姿勢が業績に結びついていると言えそうだ。