――映画の公開が楽しみです! 東さんはSeason1、Season2、映画と出演されてきましたが、ここで『アマゾンズ』そのものを振り返ってのご感想をうかがってみたいと思います。

私はもう、客観的に『アマゾンズ』を観ることができないんです。観るたびに、違うことを考えてしまいます。殺伐としていて、画面も暗い、雨の音がやたらとうるさいとか、そういう画面作り、世界観がとても好きなんです。部屋で映像を流しているだけで、周りがカッコよくなってしまいます(笑)。

――Season1の七羽さんは、まさに仁を生活面や精神面で支えるしっかり者の女性というイメージでしたね。

Season1で、七羽をどんな風に演じていたのか、自分でも忘れてきていますね。映像を観返すと、現在とはぜんぜん印象が違うなあと思いました。肉体的に大変なことはなかったんですけれど、気持ち的に重くなるシーンが多くて、そこがキツかったですね。家にいるシーンだけ、まとめて何カットも撮るんですけれど、とにかくシリアスな言葉のやりとりが続くので、終わった後はもうグッタリしていました。

――七羽さんを演じるにあたって、監督からはどんな演技を要求されましたか。

石田監督からは「やっかいな女」の感じを出せと言われました(笑)。それで例に挙げてもらったのが、夏木マリさんなんです。参考のため、夏木さんが出演された映画を観て、動きだとか、振る舞いとかを研究していたんですけれど、うまく表現できていたかどうか……。最初のころは緊張していたというのもあると思うんですけれど、動きがぎこちない感じがしますね(笑)。

――アマゾンを1人残らず"狩る"ため、過酷な戦いの世界に身を投じている仁にしてみれば、七羽さんは傷ついた身体と心を癒やす大切な存在ですよね。エピソードを重ねるたびに、そういった仁の思いが大きくなっていく印象がありました。七羽さんとしても、そういった思いは同じなんでしょうか。

仁の態度に怒りつつも、鶏肉を焼いてあげていたり(笑)。そういうツンデレっぽいところといいますか、気持ちと行動の矛盾した部分などに、七羽の仁さんへの愛を強く感じますね。

――Season2の七羽さんは千翼という息子を産んだことにより、母の強さというか、聖母のような神々しさを備えるキャラクターへと上りつめた感覚がありました。

このとき石田監督からは「とにかく母性を出せ」と言われました。イメージカットで、幼い千翼の頬をそっとなでるところがあるのですが、「その手に母性を出すんだ」と……。難しかったです。

――5年もの間に、普通の人間とは段違いのスピードで成長していった千翼については、どんな印象を持たれましたか。

私は幼いころの千翼くんと接していたけれど、成長した千翼を演じた前嶋曜くんとは直接絡むことがなかったんです。でも、彼が現場に入ってモジモジしていたら「しっかり!」って声かけたりして(笑)。かわいらしくて、"息子"感がありましたね。私が出ていないシーンでは、完全に視聴者目線で前嶋くんのことを観ていました。 イユの心を開いてあげたいと思って、いろいろ頑張っている千翼を見ると、母の目線でハラハラ、ドキドキしたりもしていました。千翼とイユが遊園地でデートしていたりすると、もうね(笑)。千翼がイユに、七羽が着ていたような衣装を選んでいるのを観て、ああ、やっぱり私(七羽)の子だなあって思ったりしました。

――Season1、Season2の配信で、七羽さんは『アマゾンズ』のキャラクターでも屈指の人気を得るようになりました。ファンの方からの反響の中で、印象に残ったコメントにはどんなものがありましたか。

たくさんありましたね。中でも「七羽さんみたいな彼女がほしい」とか「七羽さんに甘やかされたい」なんて、甘えん坊の男子からのコメントが多かった気がします(笑)。

――ではこの場を使いまして、七羽さんファンのみなさんにひと言メッセージをお願いします。

みなさん『アマゾンズ』という作品に出会ってくださって、ありがとうございます。そして、私という存在を知ってくださり、うれしい気持ちでいっぱいです。Twitterのフォロワー数もいっぱい増えまして、いろいろな応援の声、励ましの声がこちらに届くようになって、感謝の思いしかありません。私も『アマゾンズ』という作品そのものが大好きですから、ファンのみなさんと映像を観ながら一緒に語りあいたいくらいなんです。

――ぜひ、今後そのようなトークイベントが開催されることを期待したいですね! 東さんがおすすめする『アマゾンズ』の必見ポイントというのがあれば、ぜひ教えてください。

まずSeason1は物語の始まりを描いているので、これからどんなことが起きるのか、この人物はいったいどんな行動を起こすのか、ハラハラドキドキしながら観られるというのがいちばんのポイントだと思います。Season1を観て面白い!と感じ、この世界観を受け入れてくださった上で、Season2にいってほしいんです。そしてSeason2は、Season1から引き継いだ要素と、新たに登場するキャラクターたちとの関係が、また興味深く、面白く観られます。Season2を観ていくと、エピソードが進んでいくたびにみんなの余裕がなくなっていきます。特に仁さんなんて、観ていて辛くなるくらいボロボロな状態に……。とても痛々しいのですが、最後までどうなるんだろう?と思いながら観てしまう、それがSeason2なんです。

――東さんにとって、『仮面ライダーアマゾンズ』はどのような存在になりましたか?

本当に「出会えてよかった」というひと言に尽きます。この作品に出会えていなかったら、私はどうなっていたんだろう……。女優のお仕事を始めて10年以上経ちますけれど、『アマゾンズ』でまた新たな成長をさせていただきましたね。辛く苦しいこともありましたけれど、いろいろな方たちに支えられて、頑張ってきました。『アマゾンズ』と共に過ごした3年間は私の人生の中でもとても大きな存在となり、もしもこの作品に出ていなかったら、お仕事をやめていたかも……なんて、考えることがたくさんありました。とても思い入れの強い作品ですし、これからも大切にしていきたい作品です。

『仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判』(監督:石田秀範、脚本:高橋悠也、監修:小林靖子)は、2018年5月19日より、全国劇場にてロードショー公開。なお、『最後ノ審判』の前日譚にあたるAmazonプライム・ビデオ配信ドラマ『仮面ライダーアマゾンズ』Season2)を再編集した『劇場版 仮面ライダーアマゾンズ Season2 輪廻』が5月12日より劇場公開される。

(C)2018 劇場版「仮面ライダーアマゾンズ」製作委員会 (C)石森プロ・東映