2018年の4K液晶BRAVIAは、4シリーズから3シリーズに集約されました。パネルの両サイドにハイレゾ対応のスピーカーを搭載するX9500Eシリーズが生産完了となり、ハイレゾ対応ブラビアはいったん役割を終えることになります。

ソニーとしては今後、ハイレゾ対応のサウンドバーなどをBRAVIAに組み合わせれば、リッチなサウンドが楽しめると訴求していく方針です。フラグシップのZ9Dシリーズは、新モデルの発売後も販売を継続します。

X9000Fシリーズ

  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル

    新しい高画質エンジンとバックライトシステムの搭載により画質の向上を果たしたX9000Fシリーズ

X9000Fシリーズは、2018年に発売される4K液晶ブラビアのハイエンドモデルです。画面のサイズは65V型を筆頭に3種類。

  • KJ-65X9000F(65V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:37万円前後)
  • KJ-55X9000F(55V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:25万円前後)
  • KJ-49X9000F(49V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:19万円前後)
  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル

    深みのある映像表現を可能にする4K/HDR液晶パネルを搭載

X9000FシリーズはX9000Eシリーズの後継モデルです。映像プロセッサーが「HDR X1」から、上位の「X1 Extreme」に変更されたことで、画質が大幅にブラッシュアップされます。

最大の特徴は、新技術の「X-Motion Clarity」をBRAVIAとして初めて搭載したこと。液晶パネルの倍速駆動表示とLEDバックライトの明滅を、ハイスペックなプロセッサーによって高精度にコントロールしながら発光時間を最適化。従来は難しかった、明るい画面をキープしながら動画ボケを抑えることに成功しています。スポーツ系の映像を見る時に気になることがある、残像感を抑えたクッキリとした映像表示がX9000Fシリーズの長所になります。

  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル

    テーブルトップスタンドはホームシアターシステム「HT-X9000F」が美しく置けるようにデザインマッチを図っています

X9000Fシリーズもディスプレイ部のベゼルを可能な限り狭くデザインして、映像への没入感を高めています。映像を引き立てるミニマルデザインのテーブルトップスタンドは、足もとにソニーのサウンドバースピーカー「HT-X9000F」を美しく置けるように形を合わせこみました。

X8500Fシリーズ

  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル
  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル
  • 2018年モデルの中で最も多彩なサイズ展開を実現したX8500Fシリーズ

続いて紹介するX8500Fシリーズは、2018年モデルの中でもっとも多彩なサイズ展開を特徴としています。ラインナップは全6機種。

  • KJ-85X8500F(85V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:80万円前後)
  • KJ-75X8500F(75V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:50万円前後)
  • KJ-65X8500F(65V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:30万円前後)
  • KJ-55X8500F(55V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:22万円前後)
  • KJ-49X8500F(49V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:16万円前後)
  • KJ-43X8500F(43V型)、6月9日発売、オープン価格(推定市場価格:14万円前後)

4K液晶BRAVIAの中でミドルレンジにあたるシリーズには、ブラビアで最大の画面サイズとなる85V型がラインナップしています。

  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル

    テーブルトップスタンドにケーブルをすっきり収納

映像プロセッサーは「HDR X1」。超解像エンジン「4K X-Rearlity PRO」や倍速駆動パネルによってキレのある映像が楽しめます。本体やベゼルもスリムデザイン。没入感の高い映像を再現します。49V型と43V型はフレームの色がブラックとウォームシルバーの2色展開。

X7500Fシリーズ

  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル
  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル
  • 4K/HDR対応ブラビアのスタンダードモデル、X7500Fシリーズ

入門クラスのX7500Fシリーズは、3つのサイズがそろいます。発売日が他のモデルと異なっています。

・KJ-55X7500F(55V型)、6月23日発売、オープン価格(推定市場価格:17万円前後) ・KJ-49X7500F(49V型)、6月23日発売、オープン価格(推定市場価格:14万円前後) ・KJ-43X7500F(43V型)、6月23日発売、オープン価格(推定市場価格:12万円前後)

地デジの番組やBDディスクのコンテンツも高精細に表示する4Kアップコンバーター機能を搭載。HDR映像も豊かなリアリティを再現します。

テレビにGoogleアシスタント、Amazon Alexa対応も

2018年に発売される4K BRAVIAには、インターネット接続の機能と、Android TV搭載によるスマートテレビ視聴機能がもれなく搭載されます。NetflixやAmazon Primeビデオ、YouTubeの4Kコンテンツがテレビ本体のみで楽しめる魅力があります。

2018年モデルのBRAVIA、プラットフォームとなるAndroid TVは、発売当初は「Nougat(Android 7.0)」をベースにした状態で提供されますが、2018年内には「Oreo(Android 8.0)」にアップデートされます。Nougatに比べてOreoは、ホーム画面の見栄えが大きく変わって、特にアプリ一覧の表示が見やすくなりそうです。

  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル

    Android 8.0(Oreo)からは、Android TVのホーム画面のデザインが一新されます

また、Android TVの搭載をいち早く実現したBRAVIAだからこそ、2018年モデルにはスマートスピーカーでおなじみのGoogleアシスタントを内蔵することになりそうです。さらに2016年以降発売のAndroid TV搭載BRAVIAについても時期は未定ですが、アップデートによるGoogleアシスタント対応が行われる予定です。

Googleアシスタントがテレビに内蔵されるとどんなことができるようになるのか、まだ詳細については不明な点もあります。スマートスピーカーの場合と同様に、天気予報のWeb検索や、BRAVIAからChromecast built-inに対応するワイヤレススピーカーを音声で操作して、Google PlayミュージックやSpotifyの音源をストリーミング再生することも可能になります。Googleアシスタントに対応するスマートスピーカーのほうから、ホームネットワークを経由してBRAVIAの点灯・消灯、音量のアップダウンやチャンネル変更もできるようになるそうです。

同じく、音声アシスタント対応スマートスピーカー「Amazon Echo」シリーズについても、音声操作でBRAVIAをリモート操作できるスキルが2018年内に提供される予定となっています。すでに北米でスタートしているサービスが、ようやく日本に上陸することになりました。

  • ソニー、「4K BRAVIA」2018年モデル

    リモコンはデザインを一新。トップにはVODコンテンツやアプリサービスへダイレクトに飛べるボタンをそろえました

テレビに付属するリモコンはデザインが変わります。主な変更点は3つ。従来のマイクボタンが「Googleアシスタントボタン」になり、リモコンのど真ん中に配置されます。ふたつめは人気のVODサービスアプリへダイレクトにアクセスできるボタンが、リモコンのトップに付きます。Hulu、Netflix、U-NEXT、Abema TV、YouTubeとアプリ一覧の6つ。Amazonプライム・ビデオやdTVへのダイレクトアクセスができないのは残念ですが、アプリボタンを一度介してからアクセスすることになりそうです。

そして3つめの便利な機能はソニーのBDレコーダーをBRAVIAと合わせて使っている人向け。リモコンの「レコーダーホーム」ボタンを押すと、HDMI接続されているソニーのレコーダーの画面にスムーズに遷移します。

映像のクオリティと多機能、価格のバランスが取れたBRAVIA。筆者は、特にX9000Fシリーズの画質と、設置性が良くなったA8Fシリーズに注目したいと思います。