iPad Proで見事にタブレットが復活

もうひとつ、決算で注目しておきたいのがiPadだ。今期、iPadの販売台数は911万台となり、前年同期比で2%増、売上高においては6%増を記録した。タブレットは長らく、低迷していた市場であったが、アップルはペン入力に対応させたiPad Proで見事に復活を遂げたといえるだろう

  • iPadは数量ベースで前年同期比2%増、売上で6%増(アップル決算資料より)

実際、筆者の周りにも、10.5インチのiPad Proを愛用しているユーザーが結構、多い。スマートキーボードでメール処理や原稿を執筆しつつ、Apple Pencilで校正をするといった使い方が人気で「手放せない」という人が増えている。

特にセルラーモデルで、すぐに通信できるという機動力の高さが支持されているようだ。 iPadにおいては、この3月に、3万円台でありながら、ペン入力に対応した新しいiPadが登場した。発売時期の関係で、今回の決算にはほとんど影響はなさそうだが、次の決算から数字に反映されることだろう。

iPad Proで販売台数と売上がアップしたものの、低価格なiPadでも同様のことができてしまうとなると、低価格な方に人気集中しかねない。結果として、販売台数は伸びても、売上高に貢献しないということも想定されるだけに、アップルとしても次の決算が気が気ではないだろう。

戦略として「安価なiPadで消費者の興味を引きつつ、悩んでもらって最終的にはiPad Proを買ってもらう」という流れを作れるかが鍵となってきそうだ。