5月1日、アップルは2018年度第2四半期の決算を発表した。2018年1月から3月の売上高は611億3700万ドル。iPhoneの販売台数は5221万台で、前年同期と比べて3%増となる。
平均単価で見ると、今期は728ドルとなっており、前年同期は655ドルと比べると11%も上昇している。つまり、昨年11月に発売されたiPhone Xの売り上げが平均単価を押し上げている効果がはっきりとみて取れる。
ティム・クックCEOも「iPhone Xは毎週、最も人気のあるiPhoneだった」とコメント。一部で報道されていた「iPhone X不振説」を払拭して見せた。
注目すべきは日本と中国市場
今回の決算で特に注目したいのが、日本と中国市場だ。ティム・クックCEOは「特に日本と中国市場の伸びが素晴らしく、20%以上の成長を遂げることができた」と語る。
実際のところ、日本市場においては、今期の売り上げは54億6800万ドル、前年同期比で22%増となっているのだ。
やはり、日本での売り上げの中心はiPhoneになるだろう。特に日本にとって、1〜3月は「春商戦」として、進級や進学する生徒や学生が、スマートフォンデビューするタイミングであり、1年間で最もスマホが売れる時期とされている。
各キャリアとも学生に向けた学割などのキャンペーンを積極的に展開。この結果がアップルの好決算に繋がったのは間違いない。
特にこの春商戦では、総務省の過剰な端末割引に対する規制があるにも関わらず、iPhone 8において「一括ゼロ円」などで売られているキャリアショップも散見された。昨年9月に発売されたモデルがさまざまな条件がついていたとしても、一括ゼロ円もしくはそれに匹敵する値付けで買えるのであれば、多くのユーザーがその条件を飲んで購入するというのは自然な流れだろう。
ただ、日本国内の業界関係者に話を聞くと「世間に出ているスマホの販売台数ランキングは、家電量販店を中心にデータを集めているため、必ずしも実態を反映しているとは言えない。ランキングではiPhone 8が人気でiPhone Xがイマイチという印象だが、実際のところ、キャリアやアップルの直営店ではiPhone Xもよく売れている」という。
もともと、iPhone 7までの頃は、iPhone 7とiPhone 7 Plusという二本柱でアップルは勝負をしていた。しかし、今年度は、iPhone 8とiPhone 8 Plusに加えて、iPhone Xという主役が存在する。つまり、単純にラインナップが増えているわけで、従来通りの数字はiPhone 8とiPhone 8 Plusが稼ぎつつ、そこにiPhone Xが加算されていることになる。
結果として、昨年以上の数字を達成できるのは、ごく当たり前のこととも言えるだろう。 アップルの課題としては、今後、この数値を維持できるかという点になってきそうだ。当然、これ以上、上位モデルのラインナップを増やすのは難しい。ここ最近、噂に事欠かない、iPhone SEの後継機種も、あくまでiPhone SEの世代交代品であり、全体のラインナップを広げるものでもない。
これ以上、ラインナップの幅を増やすのが難しい中、iPhoneに次の秘策が残っているのか、気になるところだ。